舟を編む

舟を編む

『舟を編む』は三浦しをんによる出版社の辞書編集部を舞台にしたヒューマン小説。女性ファッション雑誌『CLASSY.』に連載され、2011年に光文社から単行本が発行された。2012年には本屋大賞を受賞している。2013年には松田龍平主演で映画化、2016年にテレビアニメ化された。「玄武書房」に勤める馬締光也は、新しく刊行される辞書『大渡海』の編集メンバーとして辞書編集部に異動となる。辞書制作のために集まった個性の強い編纂者たちが奥深い辞書の世界にのめり込み、言葉に向き合う物語。

YYYutoy1のレビュー・評価・感想

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舟を編む
10

邦画で一番好きな作品です

この映画を説明するときには、いつも相手に「右を説明できますか?」という同じ質問をします。
この映画の主人公である馬締は、この質問に答えを出してくれます。

出版社でさえない営業職をしていた社員の馬締が、「辞書編集」という仕事に出会い、人間として成長していきます。その中で様々な人に出会い、自分の仕事についてや、生き方を模索していく姿にとても感動できます。
この映画は主人公の馬締だけでなく、出てくる登場人物一人一人が魅力的で、観ているうちにどんどん引き込まれていきます。
馬締が下宿のタケおばあさんの孫のかぐやと出会うシーンも神秘的で、馬締が一目ぼれしてしまう気持ちがわかってしまいます。

大好きなシーンは、馬締がかぐやを好きになった時に、作っている辞書の「恋」の語訳を頼まれるところです。その「恋」の語訳がとても可愛らしく、辞書的な端的な文章の中に、馬締の恋愛が詰まっていてぜひ観てほしい大好きなシーンです。
自分自身の情熱を注げる仕事に出会えたり、素敵な仕事仲間に出会えた馬締を心底うらやましいと思います。節目節目に何度も観たくなるとても素敵な映画です。「邦画のおすすめは?」と聞かれたら、必ずおすすめする1本です。