「推しの子」を私が推す理由!
この作品は、誰もが1度は考えたことのある「推しの子になりたい」が叶ってしまうという話です。
「アイドルは嘘で溢れている。みんなの幻想の中に生きている」という、みんな気づいているようで気づきたくない部分を赤裸々に描いている作品でもあります。
まずは、1人の田舎に住む医者ゴローが、アイドルの「愛」を熱狂的に推しているところから物語は始まります。
「こんな田舎じゃ愛に一生会えないまま死んでいくんだろうな」と考えていた矢先に、自分が推しに推し続けていた愛がお腹を大きくして病院に訪れます。
かなりショックを受けますが、「愛のアイドルとしての幸せと母親としての幸せ二つを手に入れたい。そして、ファンにはこの事は内緒にする」という思いを聞き、ゴローは愛の子供を絶対に自分が健康に産ませると決意します。
仕事帰り、ゴローが夜道を歩いていると愛のストーカーらしき男から声をかけられて「愛が妊娠しているのか」と迫られます。そして不意に崖から突き落とされてゴローは死んでしまうのです。まだ意識がある中携帯には愛からの着信が入りました。「自分が無事に産ませてあげると約束したのに不甲斐ない」、そんな思いでゴローは亡くなってしまいました。
次に目を覚ますと、あれほど推し続けていた愛の腕の中で、愛は自分にニコニコ笑いかけています。
愛の子供、推しの子供としてゴローは生まれ変わったのです。これから幸せな一生が続いていくはずでした。