これは「後日談」ではなく、「新たな冒険」です。
私がおすすめするマンガは、「葬送のフリーレン」です。
魔王を退治するために冒険を始めるのがお話としては王道ですが、このマンガは魔王を退治した後から始まります。勇者一行のひとり、エルフのフリーレンが主人公。
彼女は寿命が長く、魔王を倒した勇者・ヒンメルが年老いてからも若いままです。人間のヒンメルが亡くなる事で、彼や人間をよく知ろうとしなかった自分を後悔し、涙します。
そして、人間を知る為の旅に出るのでした。
ここまでだと少し重いお話だと思われるかも知れませんが、違います。
フリーレンの趣味は「魔法の収集」。このマンガには、「それ魔法である必要ある?」と突っ込み必須の魔法がたくさん出てきます。例えば、「銅像をピカピカにする魔法」とか「甘いブドウを酸っぱいブドウに変える魔法」などなど。
フリーレンは、街や道中の人々からの依頼を受けた報酬として、それらを貰っています。
人々と交流し人を知る為の目的のひとつとして、物語の重要な役割となっているのではないでしょうか。
もちろん、戦う為の魔法もたくさん出てきます。
魔族との戦いでの魔法合戦も見応えがあり、フリーレンの強さを物語っています。千年以上生きたエルフとして、貫禄を見せつけてくれます。
魔法収集と共に、朝に弱いとか罠つきの宝箱にほぼ引っかかると言った欠点と、いいギャップになっています。
他の登場人物達も魅力的です。
かつての仲間だった僧侶ハイターに託された少女・フェルン。しっかり者で、普段生活にだらしのないフリーレンを、お母さん並にお世話しています。
同じく仲間だったアイゼンの弟子・シュタルク。彼は普段は小心者でよくフェルンを怒らせていますが、いざ戦いとなると強さを発揮してくれます。
彼等はフリーレンと共に旅をし、成長していきます。
人を知るための旅の果てに、フリーレン達は何を得るのか。見守っていきたいです。