大きな志はあるが圧倒的に能力不足の主人公オサム
異世界から現れた侵略者によって度々襲撃を受ける三門市。
それに対抗する防衛機関ボーダーによって、日々の平和は保たれています。
主人公の三雲修は、大切な人を守るためボーダーに入隊するのですが、戦うために必要な生体エネルギー(トリオン)が少ないため、訓練生として在籍していました。
ある日異世界からやってきた空閑遊真らと共に、目的を果たすため、ボーダー内でランクを競う戦いで上位を目指します。
ワールドトリガーの魅力の一つは、トリオンの少ない修が、ボーダーの優秀な先輩隊員達とのランク戦の中で、知恵と工夫を凝らし、戦争慣れしている三雲隊エースの空閑、トリオンモンスターと呼ばれるほどのトリオンを持ちながらも人を撃てない千佳、頑固だが真面目で誠実なもう一人のエースである捕虜のヒュースと共に、いかにして勝ち上がっていくかという部分にあるでしょう。
トリオンが高い隊員は、大きな威力の攻撃を放つことができます。
しかしトリオンが低い修の場合、威力の弱い小さな攻撃の弾でささやかな攻撃をし、自身が攻撃を受けると傷口からトリオンが漏れ出し、あっという間にトリオン不足になり弾も出せなくなってしまうという有様です。
トリオンは努力で増えるものでもなく、ボーダー職員にも「残念だが君は…防衛隊員として活躍するのは難しいだろう」と言われてしまった戦闘に不向きな修が、熟練された先輩猛者達を徹底的に研究し、穴を見つけ、少ない力の中で自分だからこそできる方法を模索してチームを勝利へと導きます。
際立った才能がないからこそ、がむしゃらに努力して最善を尽くし勝利をつかみ取る様は胸に響きます。