大いなるごっこ遊びに付き合える度量を持て
東宝のマークが流れたあと、円谷の流星ロゴが続き、そこでふと『ウルトラマンの映画配給は松竹』が続いていた事を思い出します。
最初期の劇場版ウルトラマンを除くと殆どの配給は松竹系の劇場で公開され、長年それが当たり前としてさしたる疑問を挟む事も無く続いていたので、今回の東宝と円谷の並びは知る者には懐かしく感じる所もあったかと思います。
さてそのノスタルジーを吹き飛ばすシン・ゴジラのロゴとそれに続くシン・ウルトラマンのタイトル。
そして繰り返し襲い来る巨大不明生物による脅威と人類側の必死の反撃が描かれ、終わりの見えない「禍威獣(かいじゅう)」への対抗措置として専門分析部隊、通称「禍特対(かとくたい)」が設立されるまでが映像と字幕で一息に説明される辺りはまるで過去にそういった番組があって、それをダイジェストにまとめたかのような省略っぷりが小気味良くこれだけで番組が出来そうに思える程。
禍特対が新たに表れた禍威獣・ネロンガへの対応中突如降り立った”銀色に輝く巨人”が現れ、腕から光の奔流をぶつけネロンガを消し去ると空中に飛びあがり消えてしまう。
シン・ゴジラの時は取り込んだ核物質の冷却を行なうといった「生物としての特性」の分析に重点を置くことでリアリティを高めていたように思います。
それが今回は禍威獣の行動パターンや過去のデータとの照合の結果として対抗方法を探るといった、より排除への明確な目的を持って動いている為展開が非常に速いです。
一部、ウルトラマンの仮の姿である神永の行動があからさまに奇妙だったりするのは、ご愛敬でしょうか。