青春ド直球!
スポーツものの作品はスポーツファンタジーものか青春リアルものに分かれると思いますが、『ハイキュー!!』はバリバリの青春ものです。
体格の劣る選手、弱小の部活が全国を目指す。よくある展開ですが、展開に脳のリソースを使わなくて済む分、存分に登場人物の心理に心が持っていかれます。
この作品ではスタメンではない選手や負けて試合会場を去る選手の心理描写がとても丁寧に描かれています。
考えてみれば世の中にはスタメンになれなかった人や負けた人の方が圧倒的に多いのですから、『ハイキュー!!』が多くの人に共感と感動を与えるのは自然なことですね。
プレッシャーとの戦い、さぼりたくなる気持ち、優れている人への劣等感。
誰しもが感じたことのある苦い気持ちを乗り越えていく登場人物たちが眩しいです。
泣けるシーンも多いですが、泣かせに来ているというよりかはぐっとくるところにギャグパートの挿入でさらっと終わらせてしまうところが青春を描いた作品の爽やかさとマッチしていて読みやすいです。
試合中に一見「スポーツファンタジーものかな?」と思わせるシーンもありますが、実際の試合中でも使われている戦略も多くあり、バレーボールファンの人も楽しめると思います。