あなたに似ているのはだれ?「ハイキュー!!」の個性豊かなキャラクターたち
「ハイキュー!!」の魅力ってなんだろう?
バレーボールのおもしろさをしっかり描いているところ?バレーボールを軸にしたキャラクターたちの青春?
どちらも間違いではないのだが、あえて1つに絞るとしたら、「個性豊かなキャラクターたち」だと思う。
その「個性」は見た目やプレースタイルだけに限らない。
「バレーボールへの向き合い方」。もっと言えば「そのキャラクターの考え方や生き方」が緻密に描かれていて、気が付けば共感させられているのだ。
主人公は日向翔陽。高身長が有利であるバレーボールという競技。そんななか日向の身長は160センチ代。
圧倒的不利な状況のなか持ち前の身体能力と「バレーボールが上手くなりたい!」という「純粋な想い」でのし上がっていく。
この日向というキャラクターは一言でいえば「ザ・主人公」だと思う。
不器用だが「強くなりたい」という気持ちは人一倍で、そのエネルギーは周囲を巻き込んでいく。
そんな日向に共感する人もたくさんいるだろう。
でも逆に、そのまっすぐさに、まぶしさに、うらやましくなってしまう人もいるのではないだろうか?
そしてそんな人物は作中にも登場する。日向の先輩にあたる縁下力というキャラクター。
わたしが最も共感した人だ。縁下はまだ日向たちが入部する前に、一度部活から逃げ出したことがあった。
辛く苦しい練習に耐えられなかったのだ。そんな自分を、部活に戻ってからも負い目に感じていた。
だれもが強くなるために辛いことに耐えられるわけじゃない。だれもが主人公になれるわけじゃない。
そんなリアルさが縁下にはあった。そしてそんな彼だからこそ共感したのだ。
主人公の日向や、縁下以外にもたくさんのキャラクターの生き様、考え方がしっかりと描かれているからこそ、
きっとだれか「自分に似ている」と思えるキャラクターを見つけられる。
そしてそんな彼らがバレーボールを通し成長していく姿に勇気と力をもらえるのだ。