誰もが知っている有名シリーズ「ドラゴンクエスト」をベースにしたオリジナル王道ストーリー
ドラゴンクエストと言えば老若男女問わず、大変多くの人が知っているロールプレイングゲームである。
1986年のシリーズ1作品目に始まり2020年時点で10作を超えており、スピンオフのゲームタイトルや漫画、アニメ、グッズなど派生は数知れず、日本を代表するゲームの1つと言って過言ではないだろう。
本作「DRAGON QUEST -ダイの大冒険-」では、そんなドラゴンクエストシリーズの世界観を十分に引き継ぎながら、魔王が目論む世界征服に立ち向かう謎の少年ダイを中心にオリジナル王道ストーリーが展開される。
スライムやキメラをはじめ、ドラゴンクエスト3から4にかけてのおなじみのモンスター達が第1話からいきなり登場するのはファンには感涙もので、
ダイが暮らすデルムリン島ではモンスターに凶暴性は見られず、ダイの良き友であり、仲間であり、親でもあるモンスター達との関係からは、
後にダイが人間達から敬遠されることになったときに言った「人間は人間じゃないとだめなんだね…」の台詞からもわかるように、「モンスター=悪」という当たり前の構図がはたして正しいのか、
偏見や差別にとらわれがちな人間の業についていろいろ考えさせられるのではないだろうか。
ダイの正体はオリジナルの設定で、生誕の秘密、不思議な力、超必殺技は物語を一層深めてくれる。
また、そんな勇者の周りに集まってくる仲間達も魅力的なキャラクターばかり。
すぐに逃げるお調子者で頼りないポップ、容姿端麗で慈愛に溢れながらも芯が通っていて気の強いマァム、その他にも強敵として立ちはだかったあの人(ここでは名前は伏せます)が心強い仲間になるなんて!
はじめは一番情けなかったポップが、ダイとは一番つきあいの長い仲間として最も成長し、
最後の戦いでは人間の魂の力、心の叫びを大魔王相手に思い切りぶつけてくれるシーンは自然に涙が流れる屈指の名場面である。
「さぁ刮目せよ!」 ドラゴンクエストシリーズではおそらく初、あるいは極めて初期の思われる魔法剣や、オリジナル呪文なども多数登場し、ワクワクが止まらないこと請け合いだ。
本作は1989年から1996年までに連載されアニメ化もした作品だったが、2020年にはカードを用いるアーケード版としてゲームセンターに登場し、また、リメイク版のアニメ放映もはじまった。
正義とは何か、人間らしく生きるとは何か、魔王に立ち向かっていく勇者ダイ一行の王道ストーリー体験を通して考えてもらいたい。