DRAGON QUEST -ダイの大冒険- / ダイの大冒険 / ダイ大 / Dragon Quest: The Great Adventure of Dai

『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』は、堀井雄二(監修)、三条陸(原作)、稲田浩司(作画)による日本の漫画およびアニメ作品である。
主人公は孤児として流れ着いた孤島でモンスター達に育てられながら勇者にあこがれる少年ダイ、そんなダイの相棒であり未熟な魔法使いから大魔導士へと成長するポップ、二人の師匠で元勇者のアバン、かつてのアバンのかつての仲間の娘でもあるマァム、アバンに師事するも彼を養父の仇と思い込んで魔王軍に加わっていたヒュンケル、一国の王女であり正義の心と広い度量を持ったレオナ。そしてそんな彼らと熱い絆で結ばれた仲間達が大魔王に挑む王道ファンタジーである。
類型発行部数は4700万部を誇る週刊少年ジャンプの王道少年漫画だが、当初はタイトル通り、スクウェア・エニックスの人気RPGゲーム『DRAGON QUEST』のバックアップの為に週刊少年ジャンプで企画された読み切り漫画だった。それが読者の熱い支持で連載に至り、二度のアニメ化、ゲーム化などもはたしている。
スピンオフに『勇者アバンと獄炎の魔王』などがある。

aka_ryuのレビュー・評価・感想

DRAGON QUEST -ダイの大冒険- / ダイの大冒険 / ダイ大 / Dragon Quest: The Great Adventure of Dai
10

誰もが知っている有名シリーズ「ドラゴンクエスト」をベースにしたオリジナル王道ストーリー

ドラゴンクエストと言えば老若男女問わず、大変多くの人が知っているロールプレイングゲームである。
1986年のシリーズ1作品目に始まり2020年時点で10作を超えており、スピンオフのゲームタイトルや漫画、アニメ、グッズなど派生は数知れず、日本を代表するゲームの1つと言って過言ではないだろう。
本作「DRAGON QUEST -ダイの大冒険-」では、そんなドラゴンクエストシリーズの世界観を十分に引き継ぎながら、魔王が目論む世界征服に立ち向かう謎の少年ダイを中心にオリジナル王道ストーリーが展開される。
スライムやキメラをはじめ、ドラゴンクエスト3から4にかけてのおなじみのモンスター達が第1話からいきなり登場するのはファンには感涙もので、
ダイが暮らすデルムリン島ではモンスターに凶暴性は見られず、ダイの良き友であり、仲間であり、親でもあるモンスター達との関係からは、
後にダイが人間達から敬遠されることになったときに言った「人間は人間じゃないとだめなんだね…」の台詞からもわかるように、「モンスター=悪」という当たり前の構図がはたして正しいのか、
偏見や差別にとらわれがちな人間の業についていろいろ考えさせられるのではないだろうか。
ダイの正体はオリジナルの設定で、生誕の秘密、不思議な力、超必殺技は物語を一層深めてくれる。
また、そんな勇者の周りに集まってくる仲間達も魅力的なキャラクターばかり。
すぐに逃げるお調子者で頼りないポップ、容姿端麗で慈愛に溢れながらも芯が通っていて気の強いマァム、その他にも強敵として立ちはだかったあの人(ここでは名前は伏せます)が心強い仲間になるなんて!
はじめは一番情けなかったポップが、ダイとは一番つきあいの長い仲間として最も成長し、
最後の戦いでは人間の魂の力、心の叫びを大魔王相手に思い切りぶつけてくれるシーンは自然に涙が流れる屈指の名場面である。
「さぁ刮目せよ!」 ドラゴンクエストシリーズではおそらく初、あるいは極めて初期の思われる魔法剣や、オリジナル呪文なども多数登場し、ワクワクが止まらないこと請け合いだ。
本作は1989年から1996年までに連載されアニメ化もした作品だったが、2020年にはカードを用いるアーケード版としてゲームセンターに登場し、また、リメイク版のアニメ放映もはじまった。
正義とは何か、人間らしく生きるとは何か、魔王に立ち向かっていく勇者ダイ一行の王道ストーリー体験を通して考えてもらいたい。