新時代を開いた真のビッグスター
ユーミンが登場した頃はいわゆる四畳半フォークの全盛期で、貧しい生活を描いた暗い曲がヒットしていました。しかし、彼女はそんな傾向とは全く異なるファッショナブルでポップな曲と、豊かな生活を描いた詞で登場したのです。そして「あの日に帰りたい」をビッグヒットさせ、アルバム「コバルトアワー」も物凄く売れて、一躍時代の寵児となり、四畳半フォークの時代は終わりを告げました。そういう意味でユーミンは新しい時代を切り拓いた革命的なアーティストでした。彼女は最初、ザ・タイガースを脱退した加橋かつみの曲を書いて作曲家としてこの世界に入りました。その後、大学に入学してから歌手としてデビューしたのですが、自らヒット曲を連発すると同時に、他のアーティストに曲を多く提供して次々ビッグヒットさせたのです。1990年代には日本で初めてアルバムを200万枚以上ヒットさせました。その後も長きに渡ってアルバムを中心にリリースしています。ユーミンの魅力は、英米のロックの影響を受けたポップなメロディやリズムと、かつてよく使われたハイソサエティと呼ばれる豊かな生活を反映した詞にあると言えるでしょう。