天使なんかじゃない / 天ない

天使なんかじゃない / 天ない

『天使なんかじゃない』とは、漫画家矢沢あいによる少女漫画である。『リボン』(集英社)という雑誌において約3年連載されていた。この漫画は、創立されたばかりの新しい高校の生徒会を舞台にして、生徒会役員に選ばれた高校生たちの学園生活や友情、恋愛模様を描いた作品となっている。主人公の冴島みどりは、キャラクターの設定として、ポジティブ元気な行動力のある女の子。読者の中には、まさに理想の高校生の姿としてとらえられ、人気が高い。彼女は、絵の才能があり、自ら美術部を発足させるなど、行動力もある。須藤晃と恋人同士で、彼らのやりとりがティーンエイジャーだけでなく、大人の女性にも、幸せ感や切なさなど、恋愛におけるあらゆる感情を湧きおこさせ、ファンからは、ストーリーの展開に対する支持も強い。この作品は、漫画家である矢沢あいの出世作で、小説家もされている。聖ヶ丘という町が作品の舞台となっていて、ファンにとっては「聖地」となっている場所である。須藤ザウルスという須藤晃をモチーフにした、マスコットキャラクターも人気を博した。

fighter0214x5のレビュー・評価・感想

天使なんかじゃない / 天ない
10

心から一直線に恋をした、ただの女の子の学園ラブストーリー

創設したばかりの聖学園での三年間を、主人公冴島翠の視点で物語が進んでいく。
ある雨の日、びしょ濡れの捨て猫を拾った人物の優しい仕草に一目で惹かれた翠。いつか出会えないかと思っていた所に
学園の生徒会長を決める場で運命的ともいえる出会いをする。須藤晃、リーゼントがトレードマークの人物だった。

中学からの友人、聖学園で出会った人々との様々な出来事の中で翠と仲間たちは日々成長していく。
翠自身の恋愛だけでなく、友人の恋愛の悩みや葛藤も時の流れと共に丁寧に描かれている。
キャラ一人一人に魅力があり、物語が進んでいくごとにその内面が分かっていくため、最初は好きになれなかったキャラも
次第に愛着がわくようになっていく。

片想いの切なさ、想い合っているのにどんどんすれ違ってしまうその光景は、漫画の中の世界とはいえいつの間にか感情移入してしまい見入ってしまう。

最終的にどのキャラも苦しみ悩みながらもそれぞれの未来に向けてまっすぐに進んでいるため、読後感が爽快。

卒業式の答辞シーンは必見です。

人生の中で一番の少女漫画は何か?と聞かれたら自信をもってオススメするのがこちらの作品です。
全8巻と内容が一冊一冊にたっぷり詰まっているので短さをほとんど感じません。読みやすさと感動を保証します。