天使なんかじゃない / 天ない

天使なんかじゃない / 天ない

『天使なんかじゃない』は、矢沢あいによる漫画作品。少女漫画雑誌『りぼん』1991年9月号から1994年11号まで連載された。全8巻の単行本に加え、完全版コミックス全4巻、文庫本全6巻、さらに全8巻の小説が刊行されている。1994年にはOVA化された。
創立されたばかりの私立聖(ひじり)学園の生徒会を舞台に、主人公冴島翠を中心とした生徒会の面々が繰り広げる、高校生の恋と友情を描いた青春群像劇である。ベテラン漫画家として知られる矢沢あいの出世作であり、その完成度から芸能人のファンも多い。

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天使なんかじゃない / 天ない
10

心から一直線に恋をした、ただの女の子の学園ラブストーリー

創設したばかりの聖学園での三年間を、主人公冴島翠の視点で物語が進んでいく。
ある雨の日、びしょ濡れの捨て猫を拾った人物の優しい仕草に一目で惹かれた翠。いつか出会えないかと思っていた所に
学園の生徒会長を決める場で運命的ともいえる出会いをする。須藤晃、リーゼントがトレードマークの人物だった。

中学からの友人、聖学園で出会った人々との様々な出来事の中で翠と仲間たちは日々成長していく。
翠自身の恋愛だけでなく、友人の恋愛の悩みや葛藤も時の流れと共に丁寧に描かれている。
キャラ一人一人に魅力があり、物語が進んでいくごとにその内面が分かっていくため、最初は好きになれなかったキャラも
次第に愛着がわくようになっていく。

片想いの切なさ、想い合っているのにどんどんすれ違ってしまうその光景は、漫画の中の世界とはいえいつの間にか感情移入してしまい見入ってしまう。

最終的にどのキャラも苦しみ悩みながらもそれぞれの未来に向けてまっすぐに進んでいるため、読後感が爽快。

卒業式の答辞シーンは必見です。

人生の中で一番の少女漫画は何か?と聞かれたら自信をもってオススメするのがこちらの作品です。
全8巻と内容が一冊一冊にたっぷり詰まっているので短さをほとんど感じません。読みやすさと感動を保証します。