人間と鬼の悲しくも優しさを訴えた物語
主人公の竈門炭治郎は鬼に家族を殺され、唯一生き残った妹の禰豆子も鬼に変貌を遂げてしまった。炭治郎は鬼殺隊に入隊し、鬼となった禰豆子を人間に戻すために鬼と戦うことを決意する。鬼滅の刃の良さは、一人一人のキャラクターの背景をしっかりと描けているところです。また、語り掛けるような文章が多く、他のジャンプ漫画とは違う一面を持っていることも特徴です。人間という生き物の尊さと儚さを描き、反対に鬼となってしまった人間の背景も丁寧に描かれています。漫画を読んでいて優しい気持ちになれたり、悲しくて泣いてしまうといったことは普段ありません。人間としての感情を出せるという意味でも鬼滅の刃は一度読むことをお勧めします。原作は既に完結していますが、最後まで読んでも何度でも読み返してしまうほど忘れられなくなる作品です。人間と鬼という非現実的な話と、大正時代という舞台から人気が出ているのではないかと感じます。アニメや映画が放送されるたびに人気が戻ってくる作品はそうないです。鬼滅の刃は人の想いというテーマをもとに作成されているので、話の本質が読み解けたときに作者の意図がわかると思います。日本昔話の桃太郎をモチーフにされているといわれており、日本の昔話がここまで面白い作品になるのだと驚かされる作品です。