YOASOBI

YOASOBI

YOASOBI(ヨアソビ)とは、日本の2人組音楽ユニット。メンバーはコンポーザー・Ayase、ヴォーカル・Ikura。
「monogatary.com」に投稿された小説を音楽にするプロジェクトから誕生。以降、同サイトを問わず既存の小説や、新たに書き下ろされた小説などをモデルに楽曲を発表している。
「monogatary.com」のスタッフが「小説を音楽にするユニットをやりたい」とAyaseに声を掛けたことがユニット結成のきっかけである。ヴォーカルを探していたAyaseが、Instagramでカバー曲の弾き語りをしていたIkuraを見て声を掛けヴォーカルが決定した。
2019年10月1日に結成し、星野舞夜の小説『タナトスの誘惑』を原作とした1stシングル『夜に駆ける』でデビュー。11月16日にミュージックビデオを公開。公開から約5か月でYouTubeでの再生回数は1000万回を突破し、2020年10月に1億回再生を突破。自身の代表曲となる。
2022年8月6日には「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」に登場。音楽フェス初出演を果たすなど、活動の規模を拡大している。

gresia336のレビュー・評価・感想

YOASOBI
10

音楽業界に旋風を巻き起こして2年、彼らが目指すものはなにか。

「小説を音楽に」をテーマとして、次々とヒット曲を連発するYOASOBI。
今や常識となりつつあるボカロ(ボーカロイド)曲を生身の人間が歌い上げるスタイルを確固たるものにしたアーティストと言っても過言ではないだろう。卓越した作曲センスのAyaseと、Ayaseが作曲した「ボカロ曲」を見事に歌い上げるikura(幾田 りら)。この2人が生み出す楽曲はどれも、メッセージ性が強く心に重く響く曲ばかり。それでいて軽快なリズムで次々と聴き手に襲い掛かるメロディーの中毒性が、数多くのファンをとりこにしている所以だろう。
彼らがなぜ、ここまでの楽曲を次々と生み出せるのか。それはまさしく、YOASOBIを構成している人間全員が、並外れた努力と才能の塊だからであろう。さきほどAyaseが作曲した曲を「ボカロ曲」とあえて表現したのは、YOASOBIの楽曲はもれなく「人間用」の楽曲ではないからだ。生身の人間が表現できる域を超えてしまった曲を、ikuraはその小さな身体で表現してしまうのだ。しかも一人で。またボカロ曲の難しさはメロディを織りなす楽器にもある。ボカロ曲はPCの作曲ソフトで作成するため、使える楽器は「無限」だ。しかも音階にも制限がない。しかしそのメロディを現場で奏でるのはPCではなく、これもまた生身の人間なのだ。ベース担当の「やまもとひかる」、キーボード担当の「ミソハギザクロ」、ギター担当の「AssH」、ドラム担当の「仄雲」、彼らバンドメンバーの努力と才能が、YOASOBIの楽曲に重みと温もりを与えている。
そんなYOASOBIは2021年12月に初の有観客ライブを成功させている。そのライブはファンにとって、まさしく待ち望んだ瞬間であり至高のひと時だったに違いない。しかしファンは、その先を求めている。YOASOBIもまた、この先を考えている。

「小説」というジャンルの才能が「音楽」という違うジャンルの才能と組み合わさることで爆発する化学反応を、これからも期待せずにはいられない。これからのYOASOBIの活動に、また彼らが生み出す楽曲に、引き続き注目していきたいものだ。