優しすぎる兄妹に心打たれる
舞台が大正時代の日本ということもあり、どこか縁日に来たような雰囲気の漫画。
普通の人間が人喰い鬼と化してしまう残酷な世界で、鬼となってしまった妹・禰豆子を人間に戻すために鬼を狩る主人公・炭治郎の真っ直ぐで熱い姿を応援せざるを得ない。
1話では鬼になって自分を襲って来た禰豆子に対し、負けるな頑張れと言って鬼にさせないとする必死に呼びかける炭治郎に禰豆子が見せた涙は家族の絆を感じる。
また鬼ではあるが、自我のある禰豆子がみせる優しさはとても可愛く、炭治郎に抱きついたり、悲しむ人を撫でたりする姿はほっこりしてしまう。
また、炭治郎は嗅覚に優れていて嗅覚をうまく使いバトルする姿は面白く技の表現は浮世絵の風景画のようであり、洒落ている。
鬼が死ぬ時にみせる自我の部分に嗅覚で触れた炭治郎が鬼の手に触れたりする姿は優し過ぎて心が痛くなる。
シリアスではあるものの、ギャグでの笑いも多く、全体的に重くなり過ぎないのでスラスラ読める。登場するキャラクターは鬼であろうが関係なく皆んな個性が強く魅力的。程よく欲が強いキャラクターはやはり良いと思ってしまう…。
週刊少年ジャンプでの連載だと知った時はジャンプっぽくないな、シリアスな1話だと思ったが、話が進むに連れ作者のキャラクターに魅せられ完全に虜になってしまうのではないかと思う。現在ではアニメ化も決まっている漫画なので是非読んでほしい。