人生の教科書
折れない心の持ち方や困難を乗り越えるための考え方など、生きていく上で大切なものが学べる。主人公の炭次郎が鬼になってしまった妹を人間に戻すために鬼と闘う生き様は現代を生きる私たちにも考えさせられるところがある。冒頭のあらすじからラストの最終決戦まで読者の期待を良い意味で裏切るストーリー構成なので誰も予想できない展開が繰り広げられるのでワクワクしてドハマりしてしまった。作品の描写や表現については賛否両論があるが、道徳面で大事な事がたくさん詰まっていて下手な教科書よりもよっぽど道徳の勉強になるため個人的に総合的には悪くないと思っている。また、登場するキャラは個性が強くて敵も味方もそれぞれの過去や歩んできた人生について描かれているため、それぞれのキャラの心情や生い立ちに目を向けられることから、現実味があって子供だけでなく社会に疲れた大人が読んでも実際の生活に置き換えて私生活に取り入れられる要素が多いのも魅力と言えるだろう。どんな人でも共感でき、幅広い層が楽しめる作品なので一時のブームを引き起こしたのも納得がいく。目線を広げて深く読み込むと、命の尊さや仲間の大切さがよく分かるので少しでも興味があればぜひとも読んでみることをおすすめする。