映像美と音楽でミュージカルを見ているかの様な満足度
人気アニメ監督となった細田守さんの最新作。
まず冒頭からいきなりテーマソングが流れ、そのアップテンポな曲に一気に関心を引き付けられた。
映像美も凄く映画館の大スクリーンで見ても見劣りせず、細部までこだわりが感じられた。
本作では「歌」がキーワードになっており、作中でも何曲も歌が流れる。
主人公が「ベル」、相手役が「竜=野獣」と「美女と野獣」を連想させるようなミュージカルの様な演出にも大変心を惹かれた。
作品のテーマの一つとして今のネット社会に対する問題提起が描かれていると思った。
誰もがインターネットで匿名で情報発信出来る様になり、その匿名性故に無責任に他者を否定したりする事が実社会でも問題になっていると思う。
今作では、そういった社会の中で他者を思いやって行動する事が大切だと語っていたと私は感じた。
実際、作中のように行動を移すのは難しい事だと思うが、ネットの向こうにいる相手の事を思いやる事が大切なのだと細田監督は伝えたかったのではないだろうか。
ストーリーとしては所々ご都合主義な点もあるが、映画を観た人の心に何か大切な事を語りかけてくれる魅力があると感じた。
この作品の魅力である「音楽」と「映像美」は映画館の音響と大スクリーンで観てこそ、より楽しめると思うので、劇場公開しているうちに是非鑑賞してもらいたいと思った。