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パク・ユリム演じるイ・ユナの最後の台詞が印象に残ります
西島秀俊演じる舞台の俳優で演出家の男性と三浦透子演じる送迎するドライバーの女性を中心としたヒューマンドラマといえる作品です。妻を亡くした主人公をドライバーの女性が慰めてくれるのですが、それは恋愛の関係では書かれません。スムーズでゆっくりと時間が流れるような運転シーンは、それだけで価値があるように思えます。
主人公が演出する舞台では、主人公が俳優を選んで、チェーホフのワーニャ伯父さんの戯曲を演出するのですが、日本人、中国人、韓国人、ろう者といった一見交わらない俳優を同じ舞台に出演させます。韓国の女優であるパク・ユリム演じるイ・ユナが映画の最後に舞台上で手話を使って台詞を言うのですが、それはそれは神々しい光景でした。
「夢で幸せな生活を見た」
人それぞれ、想像する幸せな夢があるのではないでしょうか。
ちなみに日本の若手人気俳優である岡田将生も出演しています。亡くなった主人公の妻の浮気相手の一人のような描写があり、その前にもスキャンダルを起こしていたり、そして最後にはとんでもないことをするのでそれも見どころです。映画「告白」のウェルテル役でも思いましたが、岡田将生はこのようなインパクトのある役が上手いですね!