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孤独の中で夢に向かう人々への応援譚
この作品は、天動説全盛の世界で、地動説を唱える研究者や、その協力者の苦悩や戦いを描いた物語です。
「そんな考え一つのために命を懸けるなんて間違っている」「女が研究なんてするな」「何百年と続いてきた研究の答えが、間違いなんてありえない」
そんな、あらゆる時代の壁や葛藤が盛り込まれています。
現代でも、「そんなもので食えるわけがない」「頑張っても無駄」「女なのに勉強なんて」と、人生を懸けて頑張りながらも、世間の目や、周囲からの攻撃と戦っている人は多いはず。
この物語の中では、好きなもののために命を懸け、好奇心に目を輝かせ、ただひたすら「地動説」というバトンを繋いでいく様が描かれています。
地動説は、「一代」で成り立つものではありません。
異端者として捕まり、地動説を成し遂げられなかった人が、同じ志の誰かがそれを継いでくれることを望んで、研究資料を山に隠す。それを見つけた次の誰かが、その資料をもとに研究を続ける。そうして研究の糸が、運命が紡がれ、やがて「地球を動かす大偉業」へと繋がっていくのです。
これをお読みになった方は、必ず元気づけられます。
登場人物の命の熱さに涙を流すこともあるでしょう。
ぜひ、ご一読ください。