最後まで読むとわかる少女の嘘に涙がとまりません!
母親の死をきっかけにピアノの音が聞こえなくなった、かつて神童と呼ばれたピアニストの男の子が主人公の物語です。
友人の紹介で出会った、とても魅力的なヴァイオリニストの少女に振り回され、再びピアノと向き合うようになります。初めは頑なにピアノを弾くことを拒んでいた主人公が、少女と接するうちにまたピアノを弾くようになる姿がとても感動的です。読者には聞こえないはずの演奏が、容易に想像できるような素晴らしい描写がたくさんあります。
主人公の少年は強引でマイペースなヴァイオリニストの少女に惹かれていきます。しかしヴァイオリニストの少女は病を患っており、大きな嘘をついたまま少年と過ごしていきます。
主人公は、病院に入院している少女の姿を自分の母親に重ねてしまい、再びピアノから離れようとしますが、最終的にはコンクールに出場し彼女への告白ともとれるような素晴らしい演奏を披露します。その後、亡くなってしまった少女からの手紙を受け取り、そこで初めて彼女の嘘を知ることになります。
最後主人公がコンクールに出場したシーンと手紙のシーンを読んだときは涙がとまりませんでした。思い出すだけで感動します。本当に優しい素晴らしい作品なので、読む価値ありです!