漫画を読む人・描く人全てに刺さる漫画
DEATH NOTEコンビの新作が本屋さんに並んでいて、1巻発売の頃からコミックスで完結まで追いかけた作品です。半ば脅迫のような形で絵の上手い主人公・真城最高(サイコー)を漫画家への道へ引き込む漫画原作者志望・高木秋人(シュージン)コンビが、とある夢を叶えるために、学生でありながらジャンプで連載を獲得し、18歳までにアニメ化を目指していく、まさに夢と苦労と汗と涙の物語です。中学3年生からかなり現実的な目線で漫画化を志し、サイコーもシュージンもどちらもその頃の年齢の子に比べるととても大人っぽいんですが、思春期らしく喧嘩をしてしまったり、色恋で色々とこじれたり、不本意な形で連載を途切れさせてしまったり等、様々ないざこざを乗り越えながら夢に向かって進んでいく姿に熱さと元気がもらえる作品だと思います。漫画を読むのが大好きな人は、漫画ができるまでの厳しい過程を楽しむことができ、漫画を描くのが大好きな人は、漫画家になることや、漫画家になれたとしても週刊連載をやっていくことの厳しさを漫画の中ではありますが感じられるのではないかなと思います。最終的なストーリーの目標として、サイコーがヒロインの亜豆と結婚するというのが根底にありますが、正直その部分はオマケに近い要素かなと個人的には思いました。もちろん、サイコーを支える大切な部分ではあるのですが、作品を作り続けるサイコーとシュージンの姿の方が印象に残りやすいです。