究極のギャンブル漫画!金と命のやり取り、不謹慎だがこうまで人を引き付ける。
「嘘喰い」とはそのタイトルにもなっている伝説の天才ギャンブラー班目獏、通称”?喰い”が主人公のギャンブル漫画だ。天才的な頭脳と洞察力により、そのギャンブルを何手先までも読み通し、ほぼすべてのギャンブルで勝利を収めてきた。そんな彼が仲間たちとともに超巨大賭博管理組織の「賭郎」のトップであるお屋形様の座をかけた戦い、「屋形越え」を達成させようとするという内容の物語である。この漫画の大きな特徴としてはギャンブル中のお互いの壮絶な読みあいである。冒頭でも述べた通り、主人公の獏はギャンブルの天才であるのだが、その対戦相手も生半可な相手ではない。さらに賭けの対象も莫大な金や命といったものであるためお互い全力で勝ちに行き、想像を絶するほどの読み合いが行われる。その内容はあまりにも天才すぎるが故、勝負の進行中はいったい何が起こっているのか全く分からないうような描写もあるが、その後の解説を聞けばなるほどと納得し、そして改めてこれをどこから見通して仕掛けたのかと再びおどろいてしまう、一瞬も飽きさせないような内容になっている。また、この物語の見どころはそれだけではなく、獏の仲間の成長物語も目を見張るものがある。特に、最初は命のやり取りという現場にただ恐怖し、獏さんにおんぶに抱っこだった梶という普通の青年が、自身の過去と決別し、極限のギャンブルを乗り越えていく中で、最後には獏にも劣らない実力を持って共に戦うようになっていく過程は、どこか胸を熱くするものがある。いろいろと語ってみたが、言葉ではこの作品の魅力の一割も伝えることができていないだろう。やや過激ではあるが、人間の本能的な部分を様々な面から掻き立ててくる本作品、ぜひ一度手に取って読んでみてほしい。