1分でわかるスピッツの魅力
◎スタイルや作風
ギター・ボーカルの草野マサムネから編み出される歌詞は、スピッツの大きな特徴の一つだ。言い切らない、含みを持たせた言葉づかいは、楽曲にほのかな謎をまとわせる。さらに曲調は、懐かしくもどこか切ない雰囲気を醸し出すものが印象深いが、インディーズ時代に多く見られた尖ったパンク調の曲も存在感を放つ。
ギターのテツヤ、ベースの田村、ドラムの崎山が、時に繊細で、時に荒々しさを持った演奏で肉付けをし、ボーカルであるマサムネの、デビュー当時から変わらない柔らかく透き通った声が曲全体を包む。
◎アルバム
スピッツはコンサートとアルバムを重視しているバンドである。特にアルバムは、デビュー30周年を迎えても3年に1度のペースで発表しており、一線での活躍を続けている。
曲順1つとっても作りこまれていることが分かり、例えば『フェイクファー』は大切な人とめぐり逢い、親しくなり、結ばれたのち旅立つ印象を抱くものとなっていたり、『醒めない』では終盤でエンディング風の曲から一転『こんにちは』で締めくくり、アルバムの先頭に戻ってまた聞きたくなるような作りになっていると思われる。
◎MV
スピッツを語るうえで、ミュージックビデオの存在は外せない。スピッツは楽曲に「死」と「性」の要素を組み込んでいると言われるが、MVにもその要素が反映されているものが多くあり、それらはバンドのイメージを視覚面で強める。『運命の人』では、死体として解剖室に運ばれたメンバーが生き返る演出がなされている。
彼らのMVは広く評価を受けており、動画サイトに公表された代表曲『ロビンソン』は、曲の発表から15年以上経過してからの投稿にもかかわらず、投稿から10年を経て再生回数1億回を超えたことで話題となった。