ジョニー・デップの演技が良かったです。
キャリアのはじめは、「エド・ウッド」「ブレイブ」など渋めの映画が多かったジョニー・デップですが、その後は海賊物など子供から大人まで多くの人が楽しめる映画に出演していました。本作では水俣病を取材した写真家のユージン・スミスを演じています。健康を害し、アルコールに依存しているという役柄なので、最近の出演作のものとはかなり違う役柄です。これまでの健康的な役柄とは異なるので、白髪や肌のシワ、シミなども付けて、実在の人物を演じています。日本側の出演者も、國村隼や真田広之、浅野忠信など、豪華な役者さんが出演しています。実際の水俣病の公害訴訟とは異なり、かなり時系列を組み替えて映画にしていますので、そのあたりは注意しておいたほうがいいでしょう。私が子供の頃に報道されていた水俣病ですが、大人になってから映画で見ると違う衝撃がありました。中でも、企業側にとって被害が大きすぎるので、賠償できなくなるというあたりは、最近起きた様々な事故などを思い起こさせました。経営陣にいくら善良な人が居ても、企業では対応できなくなるような事柄には国が積極的に関与するのは当然でしょうが、そのような事故を事前に防ぐことの必要性がよく解りました。