宝石の国 / Land of the Lustrous

宝石の国 / Land of the Lustrous

『宝石の国』とは、市川春子による漫画作品、および漫画を原作としたアニメ作品。アニメーション制作は「オレンジ」が担当した。今から遠い未来、星の生物は不死の体を持つ宝石になっており、宝石を装飾品にするために月から飛来する「月人」と28体の宝石たちとの戦いを描いている。美しい作画と作中に散りばめられた謎が魅力の作品となっている。

mana-516のレビュー・評価・感想

宝石の国 / Land of the Lustrous
8

脆く美しい幻想世界

他に類を見ない独特な世界観を持った、とても美しく幻想的な作品です。
登場人物はタイトル通り「宝石」(鉱物結晶)であり、透明感と色彩でうまく表現されています。
フルCGでの作画が、この作品においては最大限活かされていると感じました。
主人公のフォスフォフィライトをはじめ、皆宝石の名前になっていますが、イメージとしては宝石そのものが人の形をしているという感じでしょうか。
坊さんの姿の「先生」以外は全て女性に見えますが、実のところ性別があるかどうかも判りません。
物語は、宝石たちを装飾品にしようと襲ってくる「月人」との戦いがメインで、3DCGによる作画が美しく効果的に「宝石らしさ」を表現しています。
月人とのバトルで負傷した宝石は、腕や脚が折れるのではなく「砕ける」描写が見事です。
また、髪の透明感、サラサラでありながら無機質の質感が素晴らしい。
どのような世界なのか、なぜ宝石が人の形をしているのか、月人とはどのような生命体なのか…一切説明は無いので謎だらけですが、
その事が本作をより幻想的に仕立てているのかもしれません。
ただ、最終回が中途半端だったので、ぜひ続編を作ってこの美しい映像を再び披露してほしいです。