バレーを通した成長物語
中学時代に偶然見かけた春高バレーの「小さな巨人」に憧れた日向翔陽が、ライバルである天才セッター影山飛雄や部員と切磋琢磨しながら成長していく青春スポーツ漫画。
中でも特に注目したいのは、主人公のライバルである影山飛雄の成長記録だ。影山飛雄は、中学時代のあだ名は「コート上の王様」。自分と同じ技術をチームメイトに求めるあまり、孤立してしまいそれがトラウマとなっている。烏野高校入学時も、「全部俺一人でできればいいのに」と、王様気質が抜けきれず、主人公や仲間とつい喧嘩してしまうこともしばしば。しかし仲間と数々の試合を乗り越えていき、仲間と協力することで、彼は協調性を高めていく。そして、春高バレー準々決勝敗退時には「このチームでもっと上に行きたかったです」と放ち、チームメイトを驚かせる。高校入学時には想像もできなかった言葉だろう。彼は烏野高校に入学し、日向翔陽をはじめとする同級生・先輩というかけがえのない仲間たちと出会えたからこそこの言葉である。
影山だけでなく、ハイキューは登場人物それぞれに成長物語があり、必ず誰か一人は感情移入できるキャラクターがいると思う。
この作品であなたの「推し」を見つけてほしい。