キャラクター(映画)

72_aaa6のレビュー・評価・感想

キャラクター(映画)
7

しっかりしたサスペンス映画

サイコサスペンスの漫画と同じ殺人事件が起きる物語なので、血まみれや痛いシーンが多いです。それらが苦手ではない方なら、観て損はないはず。
グロさやビジュアルだけがメインではなく、物語の発端や捜査過程、事件の背景などもしっかり描かれていて、終盤に向けてのハラハラ感もあります。
菅田将暉、高畑充希、小栗旬に中村獅童という演技力に定評のある俳優のキャスティングのおかげで、違和感なく物語に入り込めました。またそんな中で、演技初挑戦というミュージシャンFukaseの演技がとてつもなくスゴいことに驚きました。
ありがちなサイコ野郎っぽさも踏まえつつ、この物語だからこその人物像が滲み出ている雰囲気が、観ていてとても恐ろしかったです。
全てのキャストが、この俳優じゃないと出来ない役だな、と思わせる、それこそその「キャラクター」に合った演技で物語の魅力が作られていたと感じました。
また、劇中の漫画もプロの漫画家が手掛けていることもリアリティを感じるひとつでした。
漫画を手書きで描くのとタブレットで描く作業、ペンを走らせる音やタブレットをタップする音など、普段見たことのない漫画制作現場が、どれだけリアルなのかは分かりませんが、純粋に興味深かったです。
漫画家の下積み時代の部屋、成功後の部屋、殺人鬼の部屋の作り込みが印象的で、物語の流れにとても深く関係させているな、とも感じました。
サスペンスが好きな方なら、出演俳優にこだわることなくしっかり楽しめる作品だと思います。