音と感情が溢れ出すマンガ
ピアノの音が聞こえなくなった、天才ピアニストの主人公、有馬公正。14歳の四月のある晴れた日に、公正は公園で子供たちと楽器を鳴らして遊んでいる宮園かをりに出会う。その少女は公正を変態、盗撮魔扱い、楽器を投げつける、おまけに、公正の親友のイケメンサッカー少年、渡の前では猫を被る。第一印象は最悪だった。そんな、破天荒な彼女に手を引かれるように公正が、連れてこられた場所はヴァイオリンのコンクールだった。楽譜に忠実に弾くことが大切なコンクールでもかをりは破天荒さを発揮。テンポもピアノの伴奏も無視して自分勝手に弾き始めた。その演奏に、審査員は呆れたが、聴衆の心を掴んだ。そして、公正の心もまた、彼女の演奏に揺れ動かされ始める。公正は彼女との出会いをきっかけに再びピアノと向き合い始める。それは、公正にとっての暗い記憶である、母親に虐待のように厳しく指導された過去と向き合っていくこととなる。そしてかをりも公正たちには言っていないある秘密を抱えていた。この漫画には様々な要素がある。公正のかをりに対する甘酸っぱい思い、ライバルと競い合う熱さ、過去と向き合う勇気、そして、未来へと向かう切なさ。ラブコメが好きな人、青春時代に帰りたい人、熱い思いを感じたい人、必読です。