世代関係なく感動できる漫画
少年誌では王道の主人公が成長し仲間と共に悪を倒すストーリーだが、全てがハッピーエンドではなく容赦ないストーリー展開に序盤から思わず引き込まれる。そして本編だけでは無く味方敵関係なく、登場人物ひとりひとりのサイドストーリーも丁寧に描写されていて皆非常に魅力的に描かれている。読み進めるうちにはじめは気にもしなかったキャラに感情移入して涙する場面も多々あった。
話は○○編といった様に区切りよく進んでいくが、どのストーリーも展開に中だるみする事なく進み読んでいて飽きることはない。それどころか世界観に没頭しながらあっという間に全話読破してしまう。また各ストーリーのみに出てくるキャラ達ですらどれも魅力的で、思わず何度も読み返してしまった。読破し終わる頃には誰もが推しのキャラクターは片手では収まらなくなるはず。敵側のサイドストーリーが全体的に親兄妹への愛や執着が原因になっているものが多く、初めて出てきた時と敗れ倒れていく時の印象がガラリと変わり、逆に悲しくなってしまうほどだった。
完全な悪人は1人も出てこない、けれどもハッピーエンドで終わる人も1人もいない悲しい物語。だからこそ皆が惹かれ、爆発的人気に繋がったのだと思う。