ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風 / ジョジョの奇妙な冒険 第5部 / Golden Wind

ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風 / ジョジョの奇妙な冒険 第5部 / Golden Wind

『ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風』とは荒木飛呂彦の日本の漫画作品である。『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの第5部にあたる。単行本では第47巻から第63巻に収録されている。この章の主人公は、ジョルノ・ジョバーナであり、彼もまたジョジョと呼ばれている。宿敵DIOの子供である。
この物語の舞台はイタリアであり、ジョルノの夢はギャングスターになることである。イタリアのギャング「パッショーネ」に入り、ブチャラティ、アバッキオ、ナランチャ、ミスタ、フーゴらともに、パッショーネのボスを倒すまでの過程が描かれる。フーゴに関しては、ボスを裏切ることが怖くなり、この作戦から離脱することとなる。その後の様子については上遠野浩平作の『恥知らずのパープルヘイズ -ジョジョの奇妙な冒険より-』にて描かれている。
テレビアニメは2018年から2019年にかけて放映された。テレビアニメでは、漫画で語られなかった部分を補足的に付け加えている。例として、暗殺チームのメンバー全員が集まり、顔を出しているシーンなどがある。主題歌は『Fighting Gold』『裏切り者のレクイエム』である。

sigM1のレビュー・評価・感想

レビューを書く
ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風 / ジョジョの奇妙な冒険 第5部 / Golden Wind
10

アニメ『黄金の風』を見ない人は損をしている

『黄金の風』のアニメを見ていて驚くことは、とにかくアニメオリジナルのエピソードが多く追加されているということです。
アニメ第一話の出だしからしてすでに原作の漫画に厚みを与えるようなエピソード用意されており、製作スタッフの「絶対いい作品を作る!」という意気込みがとても伝わって来ます。
例えば、主人公の『ジョルノ・ジョバァーナ』には、『女性に道を教える』『子供にアイスをご馳走してあげる』といったエピソードがアニメでは追加されています。
原作漫画のジョルノにはない一面が窺えることで、ジョルノへの親しみが湧き、より『黄金の風』の物語に没入することが出来ます。
また、他に特筆すべきアニメのオリジナルエピソードは、ジョルノ達に立ち向かう敵の『暗殺者チーム』についてのことです。
原作の漫画では、あくまで彼らの持つ『スタンド能力』などといった最低限の情報しか描かれていなかった暗殺者チームですが、アニメではなんと『暗殺者チーム』とサブタイトルを冠し、丸丸一話をかけて暗殺者チームの各メンバー達について掘り下げられた回が存在します。
彼らが何をどのように考えてジョルノ達に挑んで来るのかということを読み取ることが出来るこの回は、物語をより濃厚なものとしてくれました。
アニメで新たに追加されたエピソードが多い一方で、原作の漫画の見せ場、名シーンも魅力を損なうことなくバッチリ描かれています。
『黄金の風』の有名なエピソードのひとつに、敵である『チョコラータ』に強い怒りを見せたジョルノが漫画の7ページ分途切れることなく必殺の『無駄無駄ラッシュ』を繰り出し続けるシーンがあるのですが、アニメでもジョルノは台本3ページに渡ってビッシリ描かれた「無駄無駄…」を叫び続けながら攻撃を叩きこみ、チョコラータを成敗してみせてくれました。このシーンは、コアなファンである『ジョジョラー』からも納得のいく場面に仕上げられており、喝采を浴びせられています。
これらのように、逆に「ここが良くない」という箇所を見つけることの方が難しい傑作アニメがこの『黄金の風』です。アニメの歴史に残る、まさに『黄金』の作品を見ないまま人生を過ごすなんて、損をしていると思いますよ!