伝説的ロックスター、フレディ・マーキュリーの生涯
イギリスのロックバンド『QUEEN』のボーカルとして、『We Are the Champions』『We Will Rock You』等の世界的ヒット曲や、日本でもCMソングで知られる『Don’t Stop Me Now』等の名曲を世に送り出したフレディ・マーキュリー。
同バンドの大ヒット曲を表題とした本作は、91年にエイズによる合併症で亡くなったフレディの"本質"に迫る映画である。
バンドメンバーとして栄華の軌跡を共にしたブライアン・メイ(Gt.)とロジャー・テイラー(Dr.)が監修に入っているため、フレディの生い立ちから、成功や葛藤、彼の抱えたコンプレックスや性意識にまで踏み込みながら、QUEENの曲をふんだんに使用した豪華な"エンターテインメント映画"に仕上がっている。
特に、フレディの生前は触れられてこなかった彼の性自任まで踏み込んでいるところに注目したい。
作中にも描写されているが、当時はまだまだ偏見が根強く、フレディも様々な噂や中傷に傷付いてきた事が伺える。
そうしたフレディの苦悩が昇華され、映画として万人に受け入れられ大ヒットしたのも、"新しい時代"への第一歩であろうと願わずにはおれない。
ラスト20分をかけて繰り広げられる、20世紀最大のチャリティコンサート『ライブエイド』は圧巻の一言に尽きる。
QUEENを知らない人にこそ、まっさらな気持ちで観てほしい1作である。