ライフ・イズ・ビューティフル / La vita è bella / Life Is Beautiful

1m1130puojicのレビュー・評価・感想

ライフ・イズ・ビューティフル / La vita è bella / Life Is Beautiful
10

父の明るい嘘

この映画は1997年のイタリア映画で、ナチスドイツに迫害されるイタリアのユダヤ人のお話です。
最初の方は主人公と後に妻となる女性との出会いなどをコミカルに描いていますが、場面が変わり結婚後になるとユダヤ人迫害の描写が濃くなってきます。主人公のグイドはとても明るい性格の男性で、結婚して子どもが産まれても彼の性格は変わらず明るく前向き。迫害を受けていても楽しそうに振る舞います。それは子どもを不安にさせない為というのもあるのでしょうが、私にはそれがとても物悲しく感じてしまい、涙なしには観れないです。収容所に向かう途中「これは旅行なんだよ」と言ってみたり、収容所に着いてからも「これはゲームなんだ!」と言って常に子どもに明るく接してるグイドの姿を見ていると、とてもいたたまれないような悲しいような寂しいようなそんな複雑な気持ちになります。厳しい労働の後、きっと苦しかっただろうし疲れてるだろうに子どもに悟られないようずっと明るく前向きな嘘をついている彼の姿は子ども想いの立派な父親だと私は感じました。
この映画は何度も観ていますが、その度に様々なことを考えさせられるような映画です。結末はもう知っていることなのに、毎回最後には号泣してしまいます。勿論映画なので現実ではあり得ないだろうなという描写もたくさんありますが、それでも何故か何度でも観てしまう、そんな映画です。
この映画はカンヌ国際映画祭でグランプリを獲った作品で、今でもなお高い評価を受けている映画です。是非一度観て欲しいと思います。