アイネクライネナハトムジーク

アイネクライネナハトムジーク

『アイネクライネナハトムジーク』とは、2014年に発刊された伊坂幸太郎の連作短編集を原作とした、2019年に公開された日本映画である。監督は今泉力哉。会社員の佐藤(さとう)は、恋愛したいと思いつつも「出会いがないから」と理由をつけて恋愛に積極的になれずにいた。それを友人の織田一真(おだかずま)や妻の由美(ゆみ)らが見守る中、佐藤と本間紗季(ほんまさき)は劇的な出会いを果たす。この作品は、佐藤と紗季やその周りを取り巻く人々が10年にわたって織りなす物語を穏やかに描き出す作品である。

koharu926のレビュー・評価・感想

アイネクライネナハトムジーク
7

10年は長すぎでは?

前半話があって、その10年後と、後半になるのですが、10年ってちょっと経ちすぎというか、ボクサーが10年後も全盛期とかありうるのかと思うし、10年も待たせてひどい男だとも思います。もうちょい、短くてもいいんじゃないかと気になりました。でも、お話はすごくいい話で、ああ、彼に出会えてよかった、彼女を好きになってよかったって話が溢れてて、ほんわかした気持ちになりました。まあ、ちょっと出会いがリアリティないなって気もしますけど、そういうロマンティックなことがリアルでも起きるものなのかもしれません。別れても、傷つけられても、好きになれてよかったと思えたらいいことだなと感じました。
役者陣もよかったです。特に原田泰造さんはほんとに演技がうまいです。芸人さんの中で随一だと思います。めっちゃ哀愁が漂っていて、中年の悲哀を感じました。多部さんはすごくきれいでした。普段よりもきれいに見えたのは、髪型のせいでしょうか、演技プランのせいでしょうか。ともかくとても魅力的に見えました。群像劇って、結構ややこしいものですけど、これはとてもまとまっていて、メインの話もしっかりしていてよかったです。伊坂幸太郎さんって犯罪を関わってくる話が多いイメージですが、ラブストーリーもあるんだなとうれしい発見でした。