近未来ミステリーの設定が面白く、豊富なアクションシーンも最高。
東野圭吾原作の小説の映画作品。
遺伝子によって犯人を特定するDNA捜査システムの開発によって、冤罪0を目指す近未来の日本が舞台。この近い未来に本当になるかもしれない、という絶妙な世界観が面白い。
システムの開発者・神楽は、いつも通りある事件のDNAを調べていると、自分が犯人という結果が表示される。警察も神楽を重要参考人として追跡するが、そのシステムに疑問を抱く刑事・浅間も神楽を追いかける。
ミステリーではあるが激しい逃亡シーンもあり、終始目が離せず、目まぐるしい展開がとても面白い。対立する両者ではあるが、互いにDNA捜査システムの真実、また真の正義を追いかける。
ここでキーとなるのが、実は神楽が二重人格である、ということ。神楽は「DNAはその人間のすべて」と言い放ちどこか冷たい印象を受けるが、その本人が二重人格である、という設定がまた作品にいい効果を与えている。
DNAだけでなく、システムに絡む黒い影や愛も描かれており、見ごたえたっぷりの作品。
物語自体はミステリーなため難しく、伏線も沢山あり一度見ただけではわからないと感じられるかもしれない。だからこそ、この作品は見るたびに見え方、感じ方が変わるため、色々な楽しみ方ができる映画だと思う。