使い捨てられる存在がいない
ジャンプ連載中のバレーボール漫画で、ジャンプらしい友情、努力、勝利という、バレーボールに青春をかける高校生たちの熱いストーリーです。
驚異的な身体能力があるが、バレーボールの技術は拙い日向と、天才的技術はあれど周りとのコミュニケーションに問題がある影山。この二人のデコボココンビを中心に、かつて強豪とよばれた烏野高校バレーボール部の勝利への熱い軌跡が読みどころです。同じチームの同級生、先輩と徐々に結ばれる強いキズナ。時に敗北し、そこから這い上がるまでの必死さ。決して最初から最強ではないゆえの葛藤も読みどころです。
問題のある主人公2人が中心ではあるものの、同じチームの同級生、先輩達も一人一人様々な事情や背景をもっています。他の漫画であればモブで終わってしまう、レギュラー以外のメンバーについても、それぞれスポットがちゃんと当たっていて、青春群像劇として非常に深い味わいをもっています。主役にはなれない、でもチームのなかでそれぞれが役割や居場所を見つけていく姿はとても感動しますし、読者に対しても勇気をくれる力となります。
対するライバルチームも格下格上に関わらず、一校一校ちゃんとストーリーを持っていて、使い捨てられる存在がいないのがこの作品の最大の魅力だと思います。