惚れた相手が異種だった『まんが日本昔話』異種結婚シリーズ

異種結婚譚なるものがあるようですが、『まんが日本昔話』からそのような話をば。恋人、結婚相手は慎重に選びたいものですが、そううまくいかないのが、心の常です。

『そば屋にむこ入りした雷』(雷様と人間)

娘さんが一人でやっている蕎麦屋に落ちてきた雷様。「蕎麦を一杯」…おいしい蕎麦を食べてお腹いっぱいになるや、震えている娘さんに気づき、事情を聞いて…。「なら、オラを婿にしてくれんか?」

「いや、何でだよ」と思ったのですが、一人きりの娘さんを不憫に思ってのようです。でも「雇ってくれる?」ならまだしも、婿入りまで頼むのもどうかとは思いますが、意外や雷様は優しいし、作る蕎麦は大好評。「店員雇おうよ」と言いたくなるほど繁盛するというお話。

そば被ったお互いの姿見て笑ってますけど、熱くないの!?

仲がいいのはいいですね。落語的な落ちに突っ込み入れたくなりますが、できた奥さんでよかったです。

『小太郎と母龍』(人間と龍)

父親が人間で、母親が龍です。人間の村長と恋に落ちたものの、その長が「出どころを知りたい」と思ったのか、戯れに糸をつけた針を着物の裾につけ、後をつけようとしたがために二度と会えなくなったという。

時が経ち、川をドンブラコッコと流れてきた赤ん坊が、「小太郎」です。一人暮らしの婆さんに育てられるんですが、どういうわけか怪力。それもそのはず、彼の母親は龍。婆さんから母親の巣城を推測ながら聞いていた小太郎は、母親に会いに旅に出るのです。

お母さん、人間バージョンだと結構美人なんですよ。

「何かOP の構図と似てる」とお思いでしょうが、あれはまた別の話です。念のため。

『雪女』(人間と雪女)

超有名ですね、この話は。結婚して子供まで生まれましたが、その子たちを置いて去らなくてはならないのは、夫の父親を殺してしまったというのもあってのことなんでしょうが。

「誰にも言うな」と言ったのに夫が話してしまったと最初は殺そうとするも、涙ながらに「愛してるから殺せない」的なことを言っていた気がします。子供たちのこともあって自分から身を引きますか。添い遂げられない愛っていうのも美しいものがありますね。子供たちはたまったもんじゃありませんが。

『大沼池の黒竜』(竜と人間)

花見をしていた殿様一行。その一人娘である姫の所に一匹の蛇がやってきます。お酒を飲ませてあげると、どこかへ。しばらくして、中々の好青年がお城へ。「姫を嫁に頂きたい」中々に礼儀も正しいし、殿様は承諾しかけるのですが、その正体は龍だった、という。

長いこと殿様の態度が納得いきませんでした。「竜の婿さん?頼もしいじゃん」なんて思ってたんですが、生け贄にやるような気分がしたのか、単に「思い上がった人間」として描かれたのか。竜が大事な一人娘を嫁にもらうのだからと下手に出ていたせいか、化けもの呼ばわりですよ。

『黒姫伝説』を元にした物語のようです。

ja.wikipedia.org

恋は盲目、好きになるのに理屈はないなどと言いますが、好きになった相手如何によってはどうとでも転ぶ、ということなんでしょうね。

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