子供心にボディーブローを食らわせてくれた怖い絵本、児童書

子供にトラウマを与えてどうする?なんて震え声でいう大人もいるでしょう。『かちかち山』で死者が出ず、一部の『桃太郎』では桃太郎が女の子で(土地によっては最初から女の子だったりしますが)、話し合いで鬼と仲直りするこの時代。腫れ物に触るような対応をするよりも多少はハートフルボッコな話を幼い心に残してもいいと思うんですが…。

『おとうさんがいっぱい』

表題作ほか4編を収めたオムニバスですが、とかく「トラウマになった」とういう声を聞きます。全国で「父親」というものが分身したかのようにランダムな数だけ増えてしまう『おとうさんがいっぱい』。主人公の家では3人になりますが、皆考え方、記憶が微妙に違うのもまた怖いところ。しかも、息子の持つ記憶とも齟齬があるんです。この事態に対し、政府がとった対応も怖いです。ラストも怖いです。でも一番怖いのは『ぼくは5階で』でしょうな…。

ラストの話はむしろ希望を感じましたが。あとがきを読めば納得です。

『ともしび』

十字軍遠征の際手柄を立てたラニエロという兵士が、「キリスト様のお墓から、ともし火(から移した火)を持って帰っていいよ」と言われて意気揚々と帰るところから始まるんですが…。途中で賊にあって「ともし火を消さない」代わりに旅費から武器からみんな奪われるわ、故郷では「十字軍の英雄?ともし火持ってきた?嘘じゃね?」なんて言われるわ、笑われるわ…挙句、小鳥がぶつかって蝋燭の上のともし火は消えてしまいますが、実は小鳥の方に燃え移っていたという…。

自分的にはトラウマです…。絵本なのに「ですます調」じゃない文体といい、鳥の焼死体の表現といい…。

焼死というか、生き物が炎上というのがショックでした。鳥、運悪すぎ…なんて思ったりしたものです。

『もじゃもじゃペーター』

小学校の時教室にあったことはあったんですが、何か近寄りがたくて読みませんでした。絵柄はかわいいんですが、多分同時期にやっていたCMが原因かと。同じアーティストさんが手がけるアニメで、しかも不気味に感じたからかもしれません。

絵自体はかわいいんですけどね。

子供が読んだら結構トラウマになりそうな話のオンパレードですね。成人してから見たんでいろいろ突っ込みましたが。スープの話とか。

『マザー・グース』

英語で読めば韻を踏んでいてリズミカル。で、画像の本でもリズミカルに訳されていたんですが…問題は世界観。

蛆がわいた死体が出てくるわ、「普段はいい子なんだけど、悪い子になる」女の子だとか、変に不気味かつダークなんですよね。「ただの韻踏んだ詩」だと印象に残らないんでしょうか。

他にも、読んではいないけど『くもだんなとかえる』だの、かつてはトラウマ級の絵本がたくさんあったんです。今もあるでしょうけど、「これはトラウマになるから、発禁!回収」なんて極端なことはしないでほしいです。いろんな世界があることを子供に教えることの方が大事かと。

えどまち
えどまち
@edono78

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