ドロドロだけじゃないのよ…こんな「昼ドラ」があった

「昼ドラ」というと、様々な人間関係が入り乱れて、必要以上にヒステリーを起こし、やたらとドロドロしてて…そんなイメージが付きまといがちですが中には、「ドロドロじゃない、むしろ明るい」作品もありました。そんな明るい、比較的安心して見られたドラマをご紹介します。

『キッズ・ウォー~ざけんなよ~』シリーズ(TBS 1999-2003年)

連続ドラマとしては5作、スペシャルも含めると3作。元ヤンキーのシングルマザーと、エリート一家の父(しかしリストラにあった)が再婚。それぞれの連れ子同士の衝突やいざこざをコミカルに描いたものです。

井上真央さんの出世作ともいえる作品です。当時井上さんは子役であり、演じる「今井茜」という役は、女の子ながら一人称が俺という、ある種衝撃的な役でした。勝ち気でも正義感はあり、優等生ながら問題だらけの義兄弟たちとも次第に打ち解けていくさまを好演していました。随所に「いじめ」(いじめの報復といういじめもあった)「不登校」などの問題はありましたが全体的にはさっぱりさばさばした雰囲気で、安心して見られる昼ドラ、といった感じです。

『すずがくれた音』(TBS 2004年)

聴導犬候補生「すず」と、すずを預かることとなった一家の物語です。

盲導犬ではなく、聴導犬。役割は違くとも、子犬の頃人間に慣れさせるためボランティアの一家に預けるところは一緒。一家の役割も同じです。いまだ小学生の長男が「預かるならすずがいい」とか若干ワガママな面もありましたが、聾唖の人の苦しみや聴導犬の持つべき役割が、重くならず爽やかに描かれていたように思います。

『花嫁のれん』シリーズ(初出2010年)

旅行代理店に勤めていた女性が、波乱万丈の果て老舗旅館の女将になる、というストーリー。野際陽子さんは相変わらずの姑ぶりですが、信念を持った姑として、「嫁」を鍛える厳しさと、金沢言葉の美しさ。その間に垣間見えるコミカルなシーンが見所の一つでした。主人公、奈緒子の夫にはイライラさせられましたが、基本笑って見られます。

『モメる門には福きたる』(フジテレビ 2013年)

中村玉緒さん演ずる弁護士と、元教師で「わけあり」の弁護士が織りなすコメディタッチのドラマです。

「モメゴトが幸福の元」という持論から、利益よりも「モメゴト」重視で依頼を引き受けてしまう弁護士を、中村玉緒さんが好演。白石美帆さんは振り回され役ですが、白石さん演ずる椎名夏希が成長を遂げた最終回での玉緒さんの一言が、またすごいの一言です。どんな「モメゴト」もどっしり構え、楽しげに解決に導いてしまえる人生観、実際にもいるのかもしれませんが、羨ましいとみるべきか、どうなのか?

以上、「安心して見られる昼ドラ」特集でした。

えどまち
えどまち
@edono78

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