頭がよくなった意味を感じさせない映画キャラ
アインシュタイン並みの頭脳がほしいです。で、映画を見ているとあらゆる理由で「超知能」を手にするキャラクターが登場するのですが…あんまりうらやましく感じません。むしろ「いや、あんま意味ないでしょ」と感じるキャラもいます。一種の皮肉なんでしょうが。「残念な『超知能を得た』キャラ」特集としてまとめさせていただきました。
『グレムリン2』ブレイン
あらすじ:「3つの約束事を守らなくてはならない」生き物、モグワイ。水がかかると繁殖し、夜中の12時以降に食事をすると凶悪なグレムリンに変身してしまう厄介な連中との戦いから数年。主人公ビリーと婚約者ケイトは、クランプセンターなる大手企業のビルで働いていました。しかし、連れてきたギズモ(おとなしい性格のモグワイ)に水がかかってしまい…?
ビル内部にある研究施設にて、様々な研究用の薬を飲んだグレムリンたちが遺伝子改良されて、大暴れします。ブレインはその一人(本人がそう言ってたんで、そうしときましょう)で、脳ホルモンなるものを飲み、高度な知性を得た…のですが、「ニューヨーク行くぞー!カードで買い物しまくるぞー!」どこの俗物親父ですか、あなたは。ビルの従業員にインタビューされているところまではよかったのですが、仲間をエントランスに集めて爽やかにニューヨークへの想いを歌ってるし。まあ、大量のグレムリンがニューヨークに出たら大変なことになるのは確実なので、リーダー格状態の彼が「頭のいい馬鹿」だったのは救いでしたね。対照的に、グレムリンたちの「惨状」を伝え続けた「リポーター志望」のオジサンのプロ根性が素敵です。プロじゃないですけど。
エラそうに講釈垂れてたのが、歌って感電死です。人間の思惑くらい気づけ、と言いたくなります。よっぽど行きたかったんですね、ニューヨーク。
『ディープ・ブルー』の鮫
あらすじ:アルツハイマーの研究、治療薬の開発を行っていた海上の研究施設「アクティカ」。実験動物は鮫。超知能を得た鮫たちは、海上の要塞と化した「アクティカ」に人間たちを閉じ込め、追い込むのだった…。
そもそも何で鮫を実験動物にしたんだ、というところからツッコミが始まりますね。ネズミとかの方が手軽でしょうに。まあ、小さい分逃げられたら厄介でしょうが。それにしたってもっとおとなしい魚にしとけばいいのに、なぜ鮫。で、この鮫たち。人間を道具のように使ったり、それなりに頭のいいところを見せたのはまあいいとしましょう。レンジでチンしようとしたり、大物俳優サミュエル・L・ジャクソンをぱくっと食べたり、見どころもあります。
でも人間との力比べや知恵比べに負けるのはどうなの!?超知能って触れ込みはどうしたの!?まあ、人間側にど根性があった、ということで無理にでも納得しときましょう。いっそコメディならさらに面白かったかも?メガネかけて水槽ごと学会に出席したり、鮫語翻訳機とか出てきたり、それで感電してみたり、「何か人間たちが理解してくれない…」と落ち込みつつ奮闘してみたり。
大事なのは
彼らは頭脳面に関しては「頭がいい」というだけです。つまり、相手側が「どんなカードを持っているか」についての知識がなかったんですね。もしくは驕ったか。素晴らしい武器を得ても、使い方を知らなければ意味はありません。頭脳だって同じです。知識だって必要なのです。大体において彼らの「超知能」は、人間により与えられたもの。「頭良くする薬作ったよ!凄いっしょ!?」という人間の驕りも透けて見えます。そういう意味では被害者なのかもしれませんね。