
『ネスト』とは、2014年のスペイン・フランスのサスペンスホラー映画である。アパートの一室で起こる猟奇的事件を描くサイコスリラー。1950年代のマドリードで仕立て屋の仕事をしているモンセは、妹とともにアパートで暮らしている。広場恐怖症で部屋から出られないモンセは妹を頼りにしていたが、ある時、アパートの階段から落ちてケガをした男に助けを求められ、男を部屋に招き入れる。製作はアレックス・デ・ラ・イグレシア。有名映画『エスター』を凌ぐ衝撃のラストという煽り文句により話題となった作品。
エリサ(演:カロリーナ・バング)
カルロスの婚約者で妊娠している女性。カルロスを探しにアパートを訪れ、モンセに殺害される。
プーリ夫人(演:グラシア・オラヨ)
モンセの客。姪のウェディングドレスを仕立てるためにやってくるが、死体を見つけてしまい、モンセに殺害される。
『ネスト』の用語
トガリネズミの巣穴
2014年10月に開催された第11回ラテンビート映画祭での本作のタイトル。姉妹が暮らすアパートのことを指していると考えられる。
『ネスト』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
父親が行方不明になった「戦争」はスペイン内乱説
姉妹の父親は14年前に戦争へ行って消息を絶っている。物語が1950年代初頭であるため、スペイン内乱のことを指すと思われる。
煽り文句は「『エスター』を凌ぐ衝撃のラスト!!」

本作の日本版のポスターでの煽り文句は「『エスター』を凌ぐ衝撃のラスト!!」である。有名映画『エスター』を引き合いに出しているが、本作はホラーというよりもサイコサスペンス寄りの作品となっている。
クライマックスの主人公モンセの狂気は鬼気迫るものがあるが、実はラストはそれを帳消しにしてしまうような、ある種ハートフルな展開になっている。
ホラーにしては雰囲気や空気感が明るく、追い詰め方ももの足りない。最後のカルロスの骨折した脚を思いっきり踏みつけるところはぞっとするかもしれないが、ホラーとは違う。というよりも、カルロスは単なる噛ませ犬、狂言回しのような役回りとなっている。
煽り文句を見て『エスター』のようなホラーを期待して見ると、期待外れになってしまう可能性があるだろう。