「3丁目のタマ うちのタマ知りませんか?」のトラウマ回がえぐい【懐かしアニメ】

「うちのタマ知りませんか?」は文房具やファンシーグッズのキャラクターとして有名となった「タマ&フレンズ」の派生アニメ作品。人間たちと同じようにそれぞれの生活を営むネコたちの気ままな生活を描いたハートフルなストーリーです。しかし、ほのぼのアニメのはずの「うちタマ」に「トラウマ回」と呼ばれる話が潜んでいることをご存知ですか?

「うちのタマ知りませんか?」とは

「うちのタマしりませんか」は1993年から放送開始したアニメ作品。
ねこちゃんたちの、健気で可愛らしい描写と、言葉が通じないながらも飼い主と心を通わせていくシーンは思わず涙が溢れそうなほどハートウォーミングな作品です。しかし、後期の作品はところどころに死生観を思わせるようなエピソードが潜んでいることから、それらの重いエピソードは「鬱回」「トラウマ回」と呼ばれるようになりました。

三大トラウマ回 その1「まつりばやし」

夏の暑い日、家の縁側に麦わら帽子をかぶった綺麗な女性が、うちわを持って座っていました。しかし表情に変化はなく、女性はうなだれていました。女性のそばにいたノラは不思議そうに女性を見つめます。ノラは女性に「もう野良猫じゃないんだよ。」と言われ、拾われていました。
女性の膝に乗ったノラでしたが、女性に変化はなく、唇は青白く変色していました。ノラが唇に手を伸ばしても反応はありません。ノラは爪を出してしまい、女性の唇からは血が流れ出します。女性は痛がる様子もなく、ノラは流れる血を舐めます。そして女性はうちわを落とします。

町ではお祭りが開催されていました。ノラは友達の猫たちと一緒にお祭りに出かけます。木陰で一休みしていると子猫の鳴き声が聞こえて来ました。声を辿って見ると子猫が一匹捨てられていました。子猫は衰弱して震えていました。ノラは一緒に寄り添って温めようとします。他の猫たちは飼い主を呼びに行きました。
日が暮れ、祭りは人で賑わっていました。猫たちが飼い主を探し出し、ノラたちの元へ急ぎます。
しかし、子猫はそこまで生き残ることができませんでした。ノラはどんどん冷たくなる子猫の体温で女性のことを思い出し、「同じだ…。あの時と…同じ。」と言い、涙を流しました。

ノラの過去の記憶である、美しい女性の描写をところどころに挟みながら展開していく。
ノラを拾った優しい女性は登場時から誰にも気付かれずに死んでいる。「死」というものを理解していないノラは不思議そうにしていた。そして、子猫の消えていく命を通して、飼い主が死んだことを理解するという、悲しい回。
美しい女性が、表情を変えずに流血するという、ショッキングな映像がトラウマ回として衝撃を与えた。

三大トラウマ回 その2「パラダイス・オブ・カニカン」

ある日のトラのご飯はカニ缶でした。トラはそのカニ缶が美味しすぎて、床を転げ回ります。その様子を不審に思った飼い主は普通のご飯に変えてしまいます。カニ缶の美味しさを忘れられないトラはノラと一緒にカニ缶を探しに出ます。ノラは以前ある猫から、カニ缶のような美味しいご飯をタダで食べさせてくれる場所があることを聞いて言いました。二匹はその場所を目指しますが、道中ノラと喧嘩してしまいます。一人でカニ缶を探していたトラはカニ缶の匂いを感じ取ります。匂いを辿るとそこは朽ち果てた洋館でした。玄関先にカニ缶を見つけ歓喜するトラでしたが、背後から現れたオラウータンに部屋に閉じ込められてしまいます。その部屋の中には多数の猫がいました。その中には喧嘩したノラも居て、仲直りした二人は他の猫たちと一緒に穴を掘って洋館を脱出しようとします。
そこへ猫たちを閉じ込めたオラウータンがやって来て、ノラを愛でました。
その後、猫たちは穴を開通させますが、穴の先はオラウータンが寝ている檻の目の前でした。猫たちはその穴から脱出を試みますが、トラとノラが再び喧嘩をし、オラウータンに脱走がバレてしまいます。トラと数匹の猫は逃げ出すことに成功しますが、ノラと数匹は再び閉じ込められてしまいます。ノラはオラウータンの表情から、猫たちを閉じ込めているのは寂しいからだと感じ取ります。ノラは他の猫を逃がす代わりに、自身がずっとオラウータンのそばにいる事を提案します。オラウータンはそれを了承し、ノラ以外の猫たちを解放しました。

これまで回想でしか出てこなかった飼い主が、朽ち果てた洋館のソファーに…。

オラウータンは昔、飼い主と幸せに暮らして居ました。しかし今は飼い主の姿は見えず、一人広い洋館で寂しく暮らして居ました。その寂しさから猫たちを連れて来て居たのでした。
その後、トラやその仲間たち、先に洋館から脱出した猫たちが戻って来て、オラウータンにノラを離すよう訴えかけます。ノラにも大事な仲間がいる事を知ったオラウータンはノラを離し、洋館の中へ消えて行きました。ノラはオラウータンを心配しながらも洋館を後にしました。
洋館に戻ったオラウータンはソファーに座る飼い主へ泣きつきます。その後、洋館には警察のパトカーがかけつけるのでした。

うちのタマ知りませんか?「パラダイス・オブ・カニカン」(前編)

トラウマシリーズ第2弾はコレ。コレも歳を経た後に見ると、不思議と目から汗が流れてきます。ゴールデンウイークなので、何処にも行かない人向けに。一緒に見ましょう(笑)。 後編>sm6928338 追記:すまん、酔った上での散文だ。ほら、氷結ストロング8%2本で、もうあんな有様だよ。(;´Д`) 追記2:ちょw、市場ww

うちのタマ知りませんか?「パラダイス・オブ・カニカン」(後編)

「人とは、生きた末、引力を残したまま陽炎に変態する有機体で在る。引力下の者は、其の陽炎を体感した時、愕然として虚空を見上げ、後にそっと視線を前に落とす事が出来る。だが、其れを理解出来ない子供は、以前の様に其の周りを廻り続ける。ただただ、くるくる、くるくる、力尽きるまで廻り続けるのだ。」

Aパート、Bパートで独立することの多い「うちタマ」において、数少ない前後もののストーリーがこちら。
この回のみに登場するオランウータンのキャラクターとネコたち、そして猫の大好物である「カニカン」にまつわるエピソードです。
前半部は普段どおりのドタバタ日常が描かれますが、ラストのワンシーンで洋館の広間で死んでいるオラウータンの飼い主が登場することにより一気に切なく苦しい物語に。猫たちが楽しそうに「(オラウータンが)悪いやつだったんだね!」「もっと懲らしめてやれば良かったよ!」と言っているのも嫌な気分にさせます。

三大トラウマ回 その3「さまよえる首輪」「デビル・ポチの伝説」

タマを連れ去ろうとする少女

タマの飼い主であるたけしは、友人のたっちゃんの家でゲームをして帰っていました。帰り道の踏切で電車を待っているたけしは、たっちゃんが踏切に幽霊が出ると言っていた事を思い出します。たっちゃん曰く、その幽霊は「首輪はどこ?」と言いながら現れるといいます。その時、電車が通過し、その電車の中から笑いながらたけしのことを見つめる女の子を発見します。恐怖しながらも自転車で急いで帰るたけしだったが、後ろの荷台には電車の中にいたはずの女の子が座っていました。
家に戻り、部屋を開けるとそこには見知らぬ首輪を発見します。母親に首輪のことを聞きますが、母親は「タマが拾って来たんじゃないの?」と首輪のことは知らないようでした。その夜たけしは「首輪はどこ?シロの首輪はどこ?」と何度も呟く幽霊を見ます。
たけしはたっちゃんに幽霊について詳しい情報を聞きに行来ますが、それ以上のことは知りませんでした。たっちゃんはおばあちゃんならなんとかしてくれるかもしれない、と言い、おばあちゃんの元にたけしの部屋にあった首輪を持って出かけて行きました。
家に帰ったたけしの元に幽霊が現れ、たけしは女の子の過去を見せられます。

女の子が生きていた時代は戦時中でした。女の子は空爆により両親を亡くし、飼い犬のシロと二人で生き延びていました。しかし、ある日の空襲で防空壕へ逃げ込んだ時に、子供が怖がるから犬を外へ出せ、と言われます。唯一の家族であるシロだけを外に出すことができない少女は一緒に外へ出ます。そして爆撃により命を落としてしまいました。少女は理不尽に命を落としたことを恨んでいました。そしてタマと幸せに暮らしているたけしを妬み、たけしからタマを奪おうとします。だが「タマを奪ったら、あんたからシロを奪ったものと同じ」という言葉を聞き、涙ながらに消えていきます。

醜い姿になったシロ

首輪にはシロの霊がとりついていました。たっちゃんのおばあちゃんによると持ち主に首輪を返すのが一番だと言われ、たっちゃん、友達のえみちゃんと共に防空壕へと向かいます。その頃たけしの飼い犬であるポチの前に首輪が現れ、ポチの体をシロが乗っ取ってしまいます。シロはポチの体で少女が迎えに来るのを待っていました。そしてポチの様子がおかしいことを悟ったタマが追っていました。
三人が防空壕に花を納めて外に出ると、ポチとシロが取っ組み合いをしているところを発見します。慌てて止めに入り、首輪をたけしが投げ捨てます。すると首輪から醜い姿となったシロがたけしたちを襲いかかります。その時、少女が現れシロを制します。少女は憎しみにかられタマを連れ去ろうとしたことを謝り、シロを抱きしめて消えて行くのでした。

「うちのタマ知りませんか?の3大トラウマ回」の中でも、ホラー展開&恐ろしい描写がもっとも顕著なストーリーがこちら。
こちらも「前後編」と表されてはいないものの、続きの内容になっています。
前半は特にホラー的なエピソードが中心になりますが、日本の歴史にも関わる中核のテーマは、大人の視聴者にも後味を残します。

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