シャイニング・ハーツ 〜幸せのパン〜(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『シャイニング・ハーツ 〜幸せのパン〜』とは、セガのRPGである『シャイニング・ハーツ』を原作としたテレビアニメ作品である。2012年4月から6月までTOKYO MX、MBS、CBCなどで放送され、放送話数は全12話となっている。パン職人のリックはパン屋になる前の記憶がなかったが、記憶喪失の少女カグヤとの出会いをきっかけに自身の過去に疑念を持ち、世界の真相に迫るストーリーが展開される。

『シャイニング・ハーツ 〜幸せのパン〜』の概要

『シャイニング・ハーツ 〜幸せのパン〜』とは、セガのRPGである『シャイニング・ハーツ』を原作としたテレビアニメ作品で、毎日放送、TOKYO MX、ニコニコ生放送、中部日本放送、AT-Xで放送されていた。放送期間は2012年4月から6月で話数は全12話である。キャラクターデザインはゲーム版に引き続きTonyが、音楽は菊田裕樹が担当した。

物語の舞台は過去の記憶を失った人々の漂流人(さすらいびと)が流れ着く島「ウィンダリア島」である。主人公のリックは漂流人であり、過去の記憶が無いながらにも「パン屋ル・クール」で店主3人娘のアミル、ネリス、エアリィと一緒に働いていた。ある嵐の日の翌日、リックはウィンダリア島に漂流してきた謎めいた少女カグヤと出会い、自分の過去がどうであったのか思い悩むようになる。それ以後リックは自分の過去への思いと向き合いながら世界の真相に迫っていく。

『シャイニング・ハーツ 〜幸せのパン〜』のあらすじ・ストーリー

カグヤとの出会い

ウィンダリア島にはアミル、ネリス、エアリィの3人娘が経営する「ル・クール」というパン屋があり、過去の記憶がない主人公・リックはそこで従業員として働いていた。4人はある日、「マデラのパン屋」を営む老婆マデラから馬車を借りてパンの材料を調達しに出かける。するとリックたちは負傷している妖精を見つけ、妖精の棲み処であるエルフの森に連れて行く。そこで4人はエルフの長であるアルヴィンやその妹であるラナと出会った。

アルヴィンは未曽有の嵐の気配を察知しており、ラナはマデラにその旨を伝えに来る。嵐が去った翌日、リックとアミルは海岸で砂浜に倒れていた少女のカグヤを発見。カグヤは診療所に搬送された。その後3人娘は「リックもカグヤと同じように嵐の日の翌日に砂浜に打ち上げられていた」ということを話題にした。この時のリックは鎧を着た状態で浜辺に打ち上げられていたという。

カグヤとペンダントと機械人形クイーンの謎

嵐の影響による倒木でル・クールは営業不能になってしまう。ル・クールで働く4人は鍛冶屋を営むドワーフ族のハンクに壊れた石窯の修理を依頼するが、高額な請求に一度引き上げることにした。その帰り道、ウィンダリア島沖に正体不明の船が現れたため、島中の明かりを消す灯火管制(とうかかんせい)の令が出た。リックたちはカグヤが目を覚ましたという知らせを聞き、パンの配達を兼ねて診療所に向かう。

カグヤはパンの香りで一時的に目を覚ましたが、すぐに寝てしまった。その直後、カグヤが身に着けていたペンダントが発光。それと同じ頃、ハンクが保護していた機械人形の少女クイーンからもカグヤのペンダントに呼応するように光が漏れていた。一方、島の沖に現れた謎の船がウィンダリア島の街に砲撃したが、クイーンが放った光線により迎撃された。

カグヤの意識が一時的に戻ってから数日後、骨董店主のシャオメイは海底にある骨董品の噂を耳にする。ハンクもクイーンと海底で光る物体の関連性を疑っていた。ハンクはそれがクイーンのパーツではないかと考えており、クイーンを再び動かそうと考えていたのである。
シャオメイはリックとネリスを海底の骨董品探しに誘った。ハンクの力も借り、4人で宝箱を回収する。宝箱の中にはクイーンのパーツも入っていたが、宝箱はウィンダリア王国の兵士たちに没収されてしまった。

怪盗ブラックテールとの接触

王子ラグナスからパンの献上を求められたル・クールの4人は、城でラグナスと王女ルフィーナに謁見する。その際にラグナスから泥棒「ブラックテール」の退治の協力を求められた4人は、石窯修理の資金を得るチャンスだと考え依頼を引き受けた。
しかし捕獲しようとしたところ、ブラックテールの正体がシャオメイだったことが判明する。

幸い、石窯はハンクが費用を下げて修理を引き受けてくれた。しかしリックはシャオメイがブラックテールだったことにショックを受けていた。その様子を見ていたマデラは、リックにシャオメイにパンを配達するよう言う。シャオメイを訪ねたリックは直接正体を聞き出そうとするが、シャオメイもリックにパン屋か剣士かどちらが本性なのかと揺さぶりをかけてくる。これをきっかけに両者とも一触即発となり、リックはその場を立ち去った。

リックの空白の過去

リックは、自分は剣士かパン屋か何者かを深く悩んでいた。マデラに相談すると、島に流れ着いた「漂流人(さすらいびと)」はリックだけではなく3人娘もそうなのだと聞かされた。リックは島にいる漂流人の生活や過去を気にするようになり、他の漂流人に出会う。リックは失った自分の過去がいつか足かせになるのではないかと心配していたが、漂流人の一人である海賊のディランは人生が変わる時が来た時にどう動くかは自分次第だとリックに助言した。

カグヤとクイーンの正体と武装船団の来襲

シャオメイとハンクはウィンダリア城に潜入し、宝とクイーンのパーツを取り戻す。しかしクイーンはパーツを吸収してどこかへ飛び去ってしまい、ハンクとシャオメイは牢屋に入れられた。
島に武装船団が現れる。カグヤと共に再びハンクとシャオメイの前に現れたクイーンは、武装船団は異世界からの来襲者で、カグヤを追ってここへ現れたのだと説明した。また、クイーンはカグヤの守護者であり、2人とも異世界から来たのだという。
武装船団の狙いはカグヤと彼女が持つペンダントだ。クイーンはカグヤのペンダントをシャオメイに託し、ハンクと共に城から脱出させた。クイーンはカグヤを連れて武装船団に乗り込んだが、シャオメイとハンクはラグナス率いるウィンダリア島城兵団に包囲されてしまう。

その頃、診療所には武装船団の攻撃により負傷したディランが運ばれており、リックとフローラも病室にいた。アミル、ネリス、エアリィの3人も合流する。アミルたちは診療所からいなくなってしまったカグヤも武装船団と関係があるのではないかと推測し、カグヤを捜索することになる。

「漂流人」の真実とリックのスランプ解消

リックたちはマデラから漂流人について話を聞いていた。マデラは、カグヤが異世界から来た人間で、元の世界では重要な人物だったのではないかという。また、カグヤが持つペンダントも重要な力をもつ物であり、リックを含めた漂流人たちは全員同じ世界にいた可能性があると指摘した。

ウィンダリア城へ向かったリックたちは、ラグナスからカグヤとクイーンが武装船団に乗り込んだことを知らされる。シャオメイとハンクもやってきて、ラグナスの話を聞く。ラグナスいわく、カグヤの動向によってはウィンダリア島に向かってくる武装船団の進路が変わる可能性があるという。そしてリックにカグヤを連れ戻すよう依頼した。
一度は依頼を断ったリックだったが、武装船団の襲撃を目の当たりにしたことで考えを思い直す。そして、そこへやってきたルフィーナにより、剣と魔法で作った翼を与えられた。カグヤのペンダントを持ったシャオメイとハンクも合流し、ペンダントはリックの手に渡った。

武装船団の撃退

ルフィーナから翼を与えられたリックは武装船団の海賊たちと交戦を開始し、カグヤを発見する。しかし異空間に飛ばされてしまい、そこで武装船団の首領と対峙した。リックは武装船団の首領により追いやられるが精霊石のペンダントがカグヤと共鳴し、反撃に成功する。そして異空間の外ではディランとシャオメイ、ルフィーナが戦闘に参加していたが、リックが海賊の首領を破ったことで戦いに決着がついた。

武装船団との戦いが終わり、各々はいつもと変わらない日常を過ごす。リックはマデラとパンを焼いており、スランプから立ち直ったリックはパンの質が安定したと認められ、再びル・クールでパンを作り始めることになった。その次の日の早朝、アミル、ネリス、エアリィの3人はリックを迎えに来て、いつも通りのル・クールの営業が始まった。

『シャイニング・ハーツ 〜幸せのパン〜』の登場人物・キャラクター

主要人物

リック・エルウッド

CV:神谷浩史
「パン屋ル・クール」の従業員で本作の主人公である。ある嵐の日に鎧を着た状態でウィンダリア島に流れ着いた。パン屋では仕込みを担当しており、毎朝ル・クール3人娘たちに起こされている。その時の気持ちによってパンの味が変化し、パンを食べた人から気持ちを察知されることがある。

過去の記憶を失った状態でウィンダリア島に来た「漂流人(さすらいびと)」であり、物語開始時点で島に流れ着く前の記憶がなかった。しかしカグヤとの出会いやウィンダリア島にいる漂流人たちと接するうちに過去の記憶について思い悩むことになり、パン屋である自分と剣士であったと思われる自分のどちらが本当の自分なのか自身を問いただそうとする。物語終盤でマデラから漂流人と異世界人の関係を聞かされたことでカグヤと同じ世界にいた可能性を示唆された。

アミル・マナフレア

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