ロスト・ユニバース(Lost Universe)のネタバレ解説・考察まとめ

『ロスト・ユニバース』(Lost Universe)とは、神坂一によるライトノベル。この作品を原作とする漫画とアニメも存在する。星から星を巡る冒険と、宇宙規模の陰謀を描くSF作品。同作者によるファンタジー作品『スレイヤーズ』とは、一部の設定を共有しているが、基本的には別世界の物語である。
腕利きのトラブルコントラクターとして名を馳せるケイン・ブルーリバーは、仲間たちと共に様々な事件を解決していく中で、先史文明滅亡の謎と、それに深く関与する遺失宇宙船同士の戦いに巻き込まれていく。

『ロスト・ユニバース』の概要

『ロスト・ユニバース』(Lost Universe)とは、神坂一によるライトノベル。この作品を原作とする、同名の漫画とアニメも存在する。
星から星を巡る冒険と、先史文明の滅亡に関する宇宙規模の陰謀を描くSF作品。同作者によるファンタジー作品『スレイヤーズ』とは、名称などの一部の設定を共有しているが、基本的には別世界の物語とされている。

この点は作者により明言されている一方、『スレイヤーズ』のアニメ版ではより突っ込んだ設定として組み込まれており、「どの程度関連のある世界なのか」については自由に想像できる余地を残している。
アニメ版は制作スケジュールの遅れにより度重なる作画崩壊を起こしたことで知られ、特に第4話の「ヤシガニ屠る」については悪い意味で伝説となり、作画崩壊の隠語として「ヤシガニ」が用いられるに至った。

祖母から譲り受けた宇宙船ソードブレイカーを駆るケイン・ブルーリバーは、腕利きのトラブルコントラクターとして名を馳せていた。相棒のミリィやソードブレイカーの中枢制御AIであるキャナル・ヴォルフィードと共に様々な事件を解決する中、ケインは次第に宇宙規模で暗躍する犯罪組織ナイトメアと関わり、先史文明を滅亡させた恐るべき存在と対峙していく。

『ロスト・ユニバース』のあらすじ・ストーリー

風変わりなトラブルコントラクター

主人公のケイン(右)と相棒のミリィ(左)。普段はデコボココンビである。

人類が宇宙に進出して長い時が流れた。多くの星々を開拓する中、人類は「銀河に自分たち以前になんらかの文明が存在していた」ことを知る。
先史文明と名付けられたこれは、ある時を境にほとんど一瞬で消滅しており、その原因は分からないままだった。人々は様々に噂し、稀に見つかる先史文明の遺産を珍重しては、謎めいたその存在に思い馳せていた。

ケイン・ブルーリバーは、祖母から受け継いだ宇宙船ソードブレイカーを駆るトラブルコントラクター(揉め事を解決して報酬を受け取る仕事をしている者の総称)である。どれほど暑くてもマントを脱がず、骨董品扱いされているサイ・ブレードという接近戦用兵装を好んで使い、ソードブレイカーの中枢制御AIであるキャナル・ヴォルフィードや警察機構ユニバーサルガーディアンのレイル・フレイマー警部といった周囲の者たちからは変人だと思われていた。しかしトラブルコントラクターとしての実力は超一流で、銀河にその名を知られる存在でもあった。
ある日、ケインはミリィという自称探偵と仕事の中で行動を共にすることとなり、ソードブレイカーが先史文明の残した「異質宇宙船」(ロスト・シップ)であることを知られてしまう。これに興味を持ったミリィは、「自分もこの船に乗せてほしい」と言い出し、ソードブレイカーの秘密を守るためにケインとキャナルはやむなくこれを承諾する。

犯罪組織ナイトメアの暗躍

いくつもの事件を解決する中、ケインたちは宇宙規模で暗躍する犯罪組織ナイトメアとたびたび関わるようになる。ナイトメアは謎めいた組織で、その総帥が何者なのか、どこに拠点を置いて何を目的として動いているのかも詳しく分かってはいなかった。
当初は「自分とソードブレイカーがそろえばナイトメアだろうと恐れることはない」と考えていたケインだったが、ソードブレイカーが遺失宇宙船であることを知ったナイトメアから執拗に狙われるようになって以降はそれを改める。特にナイトメアに所属すると思われるサイ・ブレードの使い手は、ケインにとって実力の面でも美学の面でも強力なライバルとなった。

ナイトメアの底知れない脅威をケインたちが肌で感じる中、とある惑星の住民全てが突然死するという事件が発生。ユニバーサルガーディアンが困惑し戦慄する中、ケインたちはこれを「先史文明の技術による事件だ」と判断する。
果たして彼らの推測は当たっており、ナイトメアとは先史文明の残した遺失宇宙船「生体殲滅艦デュグラディグドゥ」を中心とする組織だった。先史文明の神話に登場する名を冠したデュグラディグドゥは、「恐怖を感じた人間を即死させる」という恐るべき機能を持っていた。稼働直後に暴走したデュグラディグドゥは、先史文明の人々を滅ぼし、今度は人類にも牙を剥こうとしていたのである。

祖母から託されたもの

「デュグラディグドゥを封印するためだけに作られた戦闘封印艦ヴォルフィード」、それこそがソードブレイカーの真の姿だった。ソードブレイカーだけが、自分たちだけが長い時間をかけて機能を回復したデュグラディグドゥを倒すことができる。そう考えたケインは、デュグラディグドゥとの決戦に臨む。
ナイトメアの総帥アルバート=ヴァン=スターゲイザーは、デュグラディグドゥに完全に精神を乗っ取られていたが、もともとはケインの大伯父だった。彼を解放することはケインにソードブレイカーを託した祖母の悲願でもあった。ケインが死をも覚悟してデュグラディグドゥとの決戦に赴こうとしていることを察したミリィは、ミレニアム・フェリア・ノクターンという本名と「自分はアルバートの実の孫である」との事実を明かし、自分にもナイトメアと命懸けで戦う理由があると主張。ケインを説得し、最後の決戦に同行する。

デュグラディグドゥは自分を封印する力を持つヴォルフィードを警戒しており、これが再び自分の前に現れるだろうことを予期して遺失宇宙船の船団を護衛につけていた。数と火力の差にケインたちは圧倒されるが、レイルたちのささやかな援護を受けてなんとかこれを突破。アルバートの分身にしてデュグラディグドゥのもう1つの端末でもあったサイ・ブレード使い「闇を撒く者」を倒し、ナイトメアの壊滅に成功する。
ケイン、ミリィ、キャナルがそれぞれに奮闘し、ついにデュグラディグドゥは轟沈。人類に迫っていた破滅の危機は回避される。祖母の宿願を果たしたケインは、胸中で彼女にそれを報告しつつ、仲間たちと共にトラブルコントラクターとしてさらなる活躍を続けていくのだった。

『ロスト・ユニバース』の登場人物・キャラクター

ケイン・ブルーリバー

CV:保志総一朗/高木礼子(幼少期)

主人公。様々な揉め事を解決して報酬をもらうトラブルコントラクターとして星々を駆け巡る生活を続けている20歳の青年。常にマントを身に着け、半ば骨董品扱いされている接近戦用の兵装サイ・ブレードを主な得物とし、「心の師は切り裂きジャック」と周囲に語り、痛々しいヤツ扱いされているが本人は気にしていない。
トラブルコントラクターとしては超一流の腕利きで、ユニバーサルガーディアンから直接依頼を受けることも少なくない。

ミリィ/ミレニアム・フェリア・ノクターン

CV:柊美冬

ケインの相棒。年齢は18歳。探偵を自称していたが、ソードブレイカーが遺失宇宙船であることを知り、好奇心からケインの下に転がり込む。射撃の腕前は一流で、艦隊戦では砲主を務める。
普段はミリィで通しているが、本名はミレニアム・フェリア・ノクターン。犯罪組織ナイトメアの首領であるアルバート=ヴァン=スターゲイザーの実の孫にあたり、本人たちも全く知らなかったがケインとは又従兄妹の関係である。

キャナル・ヴォルフィード

CV:林原めぐみ

ソードブレイカーの中枢制御AI。艦内に限れば自由にホログラムを発生させることが可能で、普段は少女型のアバータを使ってケインたちに接している。AIらしからぬ極めて人間臭い性格で、愚痴も文句も言えば怠けることもしばしば。
先史文明の科学力で作られた遺失宇宙船ヴォルフィードこそがソードブレイカーの真の姿であり、暴走した生体殲滅艦デュグラディグドゥに唯一対抗できる存在である。

レイル・フレイマー

CV:緑川光

本作における警察機構であるユニバーサルガーディアンのエリート警部。ケインの実力を理解し、自分では手が回らない事態があると彼に依頼を持ち込むこともしばしば。清廉潔白な人物というわけではなく、ナイトメアとも癒着していたが、物語終盤ではその危険性に気づいて距離を取っていった。

ニーナ・メルキオーレ

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