メタリックルージュ(Metallic Rouge)のネタバレ解説・考察まとめ
『メタリックルージュ』とは、2024年に放送されたボンズによるオリジナルアニメ。スタッフには出渕裕、堀元宣、川元利浩といった実力派がそろっており、同時期のアニメ作品の中でも特に注目されるものとなった。
人類が火星に移住し、ネアンと呼ばれる人造人間を労働力として使うようになった時代。ネアンの少女ルジュ・レッドスターは、「インモータルナイン」こと“政府に敵対する9人のネアン”の殺害という密命を胸に、相棒のナオミ・オルトマンと共に旅を続けていた。標的を探す彼女の旅路は、様々な事件を巻き起こしていく。
『メタリックルージュ』の概要
『メタリックルージュ』とは、2024年に放送されたボンズによるオリジナルアニメ。
原作はアニメ監督やメカニックデザイナーとして高名な出渕裕、監督は『キャロル&チューズデイ』などの意欲作で知られる堀元宣、キャラクターデザインは『カウボーイビバップ』などの川元利浩が務めている。日本アニメ界屈指の精鋭がそろう形となり、同時期のアニメ作品の中でも特に注目されるものとなった。
人類が火星に移住し、ネアンと呼ばれる人造人間を労働力として使うようになった時代。ネアンの少女ルジュ・レッドスターは、「インモータルナイン」こと“政府に敵対する9人のネアン”の殺害という密命を胸に、相棒のナオミ・オルトマンと共に旅を続けていた。
自分たちの仲間がルジュに狩られていることを知ったインモータルナインの面々は、これに対抗して様々な動きを見せていく。ルジュの旅は、行く先々で様々な事件を巻き起こし、自身も巻き込まれていく。
『メタリックルージュ』のあらすじ・ストーリー
キャナルシティの歌姫
人類が火星に移住し、ネアンと呼ばれる人造人間を労働力として使うようになった時代。キャナルシティの酒場で働くサラ・フィッツジェラルドは、街中で出会ったルジュ・レッドスターという少女を目にかけていた。この頃、街ではネアンのエネルギー源でもあるネクタルという物質の強奪事件が発生しており、謎の赤いグラディエーターがその犯人であるかのように報道されていた。
そんな中、サラはジャロン・フェイトという男の接触を受ける。ジャロンはサラの古い仲間の1人で、「赤いグラディエーターの邪魔が入った、お前を自由にしてやるわけにはいかない」と彼女を脅す。実はサラは「インモータルナイン」こと“政府に敵対する9人のネアン”の1人であり、自由を求めてジャロンたち過去の仲間との関係を断とうとしていた。
ルジュの正体は、インモータルナインの殺害の密命を帯びたネアンだった。彼女は「サラはインモータルナインの一員ではないか」との情報を得て、ナオミ・オルトマンという人間の相棒と共に彼女のことを調べていたが、その調査は暗礁に乗り上げつつあった。
ジャロンから「インモータルナインの仲間が2人殺された。犯人の赤いグラディエーターはすでにこの街にも現れている」との話を聞かされたサラは、自身の自由と幸福を守るためにルジュを襲撃。過去はどうあれ、今のサラがただ平穏に生きたいだけだと知っているルジュは彼女との戦いを躊躇するが、赤いグラディエーターこと戦闘形態メタルルージュに変身して応戦。これを撃破するも、ジャロンには自身の正体を知られた上で逃げられてしまう。
逃げたジャロンを追うため、次なるインモータルナインを探すため、ルジュとナオミはキャナルシティを出立する。
ネアンの希望
ウェルズタウンを訪れたルジュとナオミは、この街に潜伏しているというインモータルナインの1人「幻影のヴェルデ」の捜索に取り掛かる。ちょっとした口論からナオミと離れて行動する中、ルジュは医師のアフダル・バシャールと、その助手であるネアンの少年リオンと出会う。彼らに協力してもらうことでネアン居住区に侵入したルジュは、ここで“ネアンの権利強化”を目指して仲間たちと共に活動しているユバルというネアンから「我々の希望になってほしい」と頼み込まれる。
ネアンは意思を持つ存在でありながら、そのほとんどが人間によって道具として利用され廃棄されていく状況にあり、ルジュのような「自由に考え、自由に動き、人間に対してさえ反抗できる」ネアンこそはユバルたちの目指す理想の存在だった。
とりあえず答えを保留するルジュだったが、リオンに連れ出された先でユバルが殺されているのを発見。ここにユバルの仲間たちが駆け付け、ルジュは「ユバルの殺人犯」であるという濡れ衣をかけられてしまう。ユバルが死んだことは人間たちも承知しており、「事態の鎮静化」を名目に保安部隊がネアン居住区へと侵入。この事態がジャロンの仕込みだと判断したルジュは、「ここにいればあの男が自分に接触してくる」と考え、混乱するネアン居住区に留まり続ける。
しかし、ジャロンはルジュを援護しようとネアン居住区に踏み込んだナオミの前に現れる。殺意と共にナオミに躍りかかるジャロンだったが、何かに気付いて「あなたもなかなか厄介だ」との言葉と共に退いていく。一方、ルジュはインモータルナインとしての本性を現したアフダルと交戦。「この世に真の自由など無い。自由になりたいならこうするしかない」と利用するだけ利用したリオンを殺したアフダルを死闘の末に征するも、自身も力尽きて倒れてしまう。
人形遣い師との接触
倒れたルジュは、謎のサーカス団「移動カーニバル」の主である人形遣い師という人物に囚われる。人形遣い師は、夢を見るような形でルジュに自分自身の過去を追体験させていく。
ルジュはジーン・ユングハルトという青年と兄妹のようにして育った。ジーンの父はネアンの生みの親でもあるロイ・ユングハルトであり、インモータルナインを作り出した人物でもあった。ルジュはジーンから「父の負の遺産であり、その命を奪ったインモータルナインを始末してほしい」と頼まれ、これを目的に動いていた。しかしインモータルナインと戦っていく中で「彼らは本当に倒さなければならない悪なのか」との疑念を抱くようにもなっており、自分の行いが正しいのかどうか不安を感じてもいた。
ルジュの記憶の中からなんらかのデータを抜き取った人形遣い師は、「これでこちらの用は済んだ、自由になれ」と伝えつつ彼女を解放。人形遣い師に連れ去られたルジュを助けるために移動カーニバルに忍び込んだナオミがここに駆け付け、ルジュを救出する。
ここで2人は簒奪者の兵器に襲われるが、旅の途中で知り合ったエデン・ヴァロックという青年によって救われる。彼もまたインモータルナインの1体だったが、そのことはルジュもナオミもまだ気付いてはいなかった。
『メタリックルージュ』の登場人物・キャラクター
ルジュ・レッドスター
CV:宮本侑芽
主人公でネアンの少女。見た目は17歳ほどだが、実年齢は10歳ほど。チョコレートが好物。
戦闘形態メタルルージュに変身することが可能。
ナオミ・オルトマン
CV:黒沢ともよ
ルジュとバディを組んで活動する人間の女性。分析や諜報に長け、様々な道具を使いこなす。見た目からは想像もつかないほどの大食漢である。
アフダル・バシャール
CV:津田健次郎
ネアン専門の医師。過酷な労働に従事させられては廃棄されていくネアンを山ほど見てきたためか、その言動には苛立ちと諦念が色濃く表れている。
『メタリックルージュ』の用語
来訪者(らいほうしゃ)
人類が火星への移住を進めていた頃、外宇宙からやってきた宇宙人。友好的な種族で、人類に対しても対等の友人として交流を持とうとした。
簒奪者(さんだつしゃ)
人類と来訪者の接触からしばらくした後に現れた、来訪者とは別種の異星人。好戦的な種族で、人類と来訪者に戦争を仕掛けた。
ネアン
簒奪者との戦争中に開発され、人類側の主力兵器として活躍した人造人間。見た目は人間とほとんど変わらないが、顔にラインが走っている。
戦争が終わった後は、火星各地で労働力として活用されている。「ネアンの正体は来訪者の作った侵略兵器である」との噂も存在するが、世間からは世迷言扱いされている。