ゆびさきと恋々(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ゆびさきと恋々』(ゆびさきとれんれん)とは、大学生同士のピュアなラブストーリーを描いた森下suuの漫画作品。講談社の雑誌『デザート』にて2019年から連載され、2024年にはアニメ化を果たした。
生まれつき聴覚に障害を持つ大学生の糸瀬雪は、ある時電車の中で同じ大学に通う波岐逸臣に助けられたことで、彼のことが気になり始める。その逸臣は国際サークルに所属しており、バイトで資金を作っては海外に繰り出すアクティブな青年だった。交わりそうで交わらない雪と逸臣の恋が、2人の周囲の人々も巻き込んでいく。
『ゆびさきと恋々』の概要
『ゆびさきと恋々』(ゆびさきとれんれん)とは、大学生同士のピュアなラブストーリーを描いた森下suuの漫画作品。講談社の雑誌『デザート』にて2019年から連載され、そのもどかしくも微笑ましい物語が高い評価を受け、2024年にはアニメ化を果たした。
生まれつき聴覚に障害を持つ大学生の糸瀬雪(いとせ ゆき)は、ある時電車の中で困っていたところを、同じ大学に通う先輩の波岐逸臣(なぎ いつおみ)に助けられる。自分の障害を知ってなお動じることなく接してくる逸臣に、雪は次第に惹かれていく。
その逸臣は国際サークルに所属しており、バイトで資金を作っては海外に繰り出すアクティブな青年だった。逸臣への恋心を自覚した雪は、なんとか彼と交流する時間を作ろうとするも、なかなかうまくいかない。
交わりそうで交わらない雪と逸臣の恋は、友人、親族、同級生など、2人の周囲の人々も巻き込んでいく。
『ゆびさきと恋々』のあらすじ・ストーリー
雪と逸臣の出会い
大学生の糸瀬雪(いとせ ゆき)は、聴覚に先天的な障碍を持っていた。ある日、雪は電車の中で外国人観光客に道を尋ねられるも、相手が何を言っているのか分からず困惑。ここに同年代の青年が現れ、雪の代わりに観光客に道を教える。雪はこの青年が自分を助けてくれたことに感謝すると共に、自分の障害のことを知ってなお自然体で接してくる彼に興味と好意を抱く。
この青年は波岐逸臣(なぎ いつおみ)という名で、雪の親友の藤白りん(ふじしろ りん)と同じ国際サークルに所属する、同じ大学の先輩学生だった。逸臣は「ロッキンロビン」というバーでバイトをしているらしく、雪はりんと共にこの店を来訪。逸臣と再会し、改めて助けてくれたことへの感謝を伝える。りんはりんで、逸臣の従兄で「ロッキンロビン」の店主の波岐京弥(なぎ きょうや)に憧れているらしく、彼となんとか仲良くなろうとしていた。
その後雪と逸臣は連絡先を交換。自分の胸がかつてなく高鳴っていることに気付いた雪は、「これが恋なのだろうか」との高揚に身を委ねる。りんから「恋してる顔になった」と指摘された際は慌てて否定するも、逸臣との交流を重ねていく中で、雪は自分が彼に抱く思いが恋であることをゆっくりと自覚していく。
一方、子供の頃から不器用に雪のことを案じていた従兄の芦沖桜志(あしおき おうし)は、彼女が新しい世界に飛び込んでいくことを快く思っていなかった。雪の周りに急に男の影がチラつき始めたことを察した桜志は、逸臣に対して警戒心をあらわにする。
逸臣の友人たち
自然体に距離を詰めてくる逸臣に、雪は一喜一憂する。りんがそれを微笑ましく見守る一方、桜志は「遊ばれているだけだ」と雪を強く叱責する。「逸臣はそんな人じゃない」と反論する雪だったが、ある時ロッキンロビンで中園エマ(なかその エマ)と伊柳心(いりゅう しん)という逸臣の高校生時代の友人に出会い、自分から見ても美人なエマが逸臣と親しい関係にあることを知って戸惑う。
そのエマは、高校生の頃から逸臣に好意を抱き、彼を振り向かせようと躍起になっていた。逸臣はそんな彼女のアプローチをかわし続けていたが、雪からもらった手話ノートを彼女に見られてしまう。桜志も大胆に無遠慮に雪との交流を重ねる逸臣のことを次第に敵視するようになり、雪たちの周囲には人間関係の火種がいくつも燻り始めていた。
雪、りん、逸臣、京弥が4人で店の買い出しに向かった際、逸臣は「りんは京弥のことを狙っているんだろう、協力してやる」と言い出し、りんと京弥が2人で帰れるように取り計らう。わざとなのかそうでないのか、逸臣と2人切りで帰ることになった雪は幸福と緊張に胸を膨らませる。雪が勇気を出して「一緒に何か食べていきませんか」と逸臣を誘うと、彼は「それなら自分の部屋で食べよう」と彼女を自宅に連れて行く。
逸臣の家に招かれたことに戸惑う雪だったが、ここにエマがやってきたことで慌てて帰ることとなる。雪もエマも「あの女の子は逸臣とどういう関係なのだろう」と思い悩むが、当の逸臣は雪との関係を大胆に詰めていった。りんの配慮で雪の家にまでやってきた逸臣は、「雪のことをもっと知りたい」との胸の内を明かし、彼女と交流するためだけに手話を学んでいく。
初々しい交際
逸臣にとっても、雪の存在は新鮮で「大切にしたい」と思えるものだった。自分が雪に惹かれていることを自覚し、雪もまた自分を好いてくれていることを理解した逸臣は、彼女に交際を申し込む。雪は「逸臣の方からそんなことを言ってくれるなんて」と驚きながらもこれを受け入れ、2人は初々しい恋人同士となる。
一方、桜志は雪と逸臣の仲が急激に近づいていることを快く思わず、2人を離れさせようと画策。雪の母親から彼女の電話番号を聞き出し、逸臣と親しくなりすぎないよう釘を刺す。雪は雪で、逸臣とエマの関係について、「旅行中に部屋を貸した」という説明をどう受け止めればいいか分からずに戸惑うのだった。
『ゆびさきと恋々』の登場人物・キャラクター
糸瀬雪(いとせ ゆき)
CV:諸星すみれ
聴覚障害を持つ大学生。かわいい小物を集めるのが趣味。
波岐逸臣(なぎ いつおみ)
CV:宮崎遊
雪と同じ大学に通う学生。バックパッカーとして海外旅行するのが趣味で、バーでバイトして資金を溜めては世界中を飛び回っている。
芦沖桜志(あしおき おうし)
CV:大塚剛央
雪の幼馴染。雪のことを「手間のかかる妹分」と見ている節があり、彼女と親しくなっていく逸臣のことを警戒する。
波岐京弥(なぎ きょうや)
CV:逢坂良太
逸臣のいとこで、彼のバイト先のバー「ロッキンロビン」の店長。