キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜』とは、大人へと成長した『Yes!プリキュア5』及び『Yes!プリキュア5GoGo!』のキャラクターたちの活躍と、新たな脅威との対峙を描いた2023年のオリジナルアニメ。『プリキュアシリーズ』の“その後”を描いた初のアニメ作品であり、主人公たちの成長した姿が大きな話題となった。
かつて伝説の戦士プリキュアとして戦った夢原のぞみは、成長して教師になっていた。現実に押し潰されそうになりながらも理想を追う彼女と仲間たちの前に、謎めいた新たな敵が現れる。

『キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜』の概要

『キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜』とは、大人へと成長した『Yes!プリキュア5』及びその続編『Yes!プリキュア5GoGo!』のキャラクターたちの活躍と、人々の幸せを蝕む新たな脅威との対峙を描いた、2023年のオリジナルアニメ。
『プリキュアシリーズ』20周年を記念して作られた作品で、仕事などの規模の小さいものからSDGsなどの規模の大きなものまで、“大人”としての視点で様々な問題が描かれる。同シリーズの“最終回の後”を描いた初のアニメ作品であり、中学生だった主人公たちの成長した姿が大きな話題となった。

かつて伝説の戦士プリキュアとして戦い、世界を救った夢原のぞみ(ゆめはら のぞみ)、夏木りん(なつき りん)、春日野うらら(かすがの うらら)、秋元こまち(あきもと こまち)、水無月かれん(みなづき かれん)、美々野くるみ(みみの くるみ)の6人は、それぞれに成長して大人になっていた。
自身は「教師になる」という夢を叶えたのぞみだったが、純粋に生徒の進路を応援したいと思ってもうまくいかないことは少なくなく、現実の前に押し潰されそうになることもしばしばだった。幼馴染のりんとたびたび飲みに出かけては愚痴を言い合いつつ理想を追う彼女の前に、かつての仲間たちと謎めいた新たな敵が現れる。

『キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜』のあらすじ・ストーリー

かつて少女だった者たちの再会

かつて伝説の戦士プリキュアとして戦い、世界を救った夢原のぞみ(ゆめはら のぞみ)、夏木りん(なつき りん)、春日野うらら(かすがの うらら)、秋元こまち(あきもと こまち)、水無月かれん(みなづき かれん)、美々野くるみ(みみの くるみ)の6人は、それぞれに成長して大人になっていた。
自身は「教師になる」という夢を叶えたのぞみだったが、純粋に生徒の進路を応援したいと思ってもうまくいかないことは少なくなく、現実の前に押し潰されそうになることもしばしば。自身の受け持つクラスの生徒片桐るみ(かたぎり るみ)が両親の離婚で転校を余儀なくされた際は、なんとか彼女が望む進路を歩めるよう周囲に働きかけるが力及ばず、「先生は悪くない」とるみに逆に慰められる始末だった。

幼馴染のりんとたびたび飲みに出かけては愚痴を言い合い、プリキュアとして戦っていた頃のことを、「なんだってできる」と信じていた頃のことを懐かしむのぞみ。戦いを終えたからなのか、何かの条件を満たさなくなったからなのか、それぞれに大切に仕舞っていたプリキュアに変身するためのアイテム「キュアモ」もいつの間にか無くなっており、2人は“自分たちはもう世界を救う伝説の戦士ではなく、自分の力だけで現実と折り合っていく大人なのだ”というほろ苦い現実を噛み締める。
そんな時、のぞみとりんはうらら、こまち、かれん、くるみと不意に再会。中学卒業以来ほとんど顔を合せなかった彼女たちと出会えたことにのぞみは喜ぶが、くるみは「こんな偶然なんてありえない、何かしら大きな運命が動き出している」と予言めいたことを口にする。果たしてその言葉通り、街には謎の怪人が現れ、るみの父親を含む人々の心と幸せを蝕んでいた。

プリキュアの再来

のぞみたちが再会を喜んでいた頃、妖精たちが暮らす異世界のパルミエ王国では、見たこともない不思議な花が王宮の花壇に咲いているのが発見される。ココと2人で王として国を支えているナッツは、これが不思議な力を持つ「タイムフラワー」と呼ばれるものであることに気付くが、具体的にどのような力を持つものかについてまでは分からなかった。
地上では、シャドウたちがたびたび事件を起こすようになっていた。機械に映らない彼らの存在は未だ誰にも気づかれていなかったが、シャドウたちは人から影を奪って仲間を増やし、その規模を少しずつ拡大しつつあった。影を奪われた者は昏倒してしまうことも、シャドウの存在を隠蔽する一助となっていた。

そしてついに、シャドウは徒党を組んで暴れ出し、のぞみとりんもこれに巻き込まれる。人々が次々と襲われていくのを見た2人は、「プリキュアになれれば助けられるのに」と悔やみながらも離脱しようとする。しかし逃げ遅れた人々の中に自分の生徒がいることに気付いたのぞみはその場に踏み留まり、囮となってシャドウを誘導。なんとか無事に生徒を逃がすも、自身はシャドウに影を奪われてしまう。
影を奪われたのぞみは昏倒し、「理想を追い続けてきたけど、力及ばないことばかりだった。自分にはこれが限界だった。つらい現実は忘れて、もう瞳を閉じて眠ってしまおう」とどことも知れぬ空間で何者かに囁かれる。しかし「もっと素敵な先生になって生徒とまた会う」という約束を思い出してのぞみは覚醒し、これに呼応するようにパルミエ王国のタイムフラワーが開花。するとのぞみの手元にキュアモが再び現れ、彼女を夢と希望に溢れていた中学生の頃の姿へと、伝説の戦士プリキュアへと変身させる。プリキュアへと変身したのぞみはシャドウたちを退け、彼らによって昏倒した人々を救うのだった。

咲舞コンビとの邂逅

シャドウによる被害が拡大する中、かれんとくるみまでもがタイムフラワーの開花に呼応するようにしてプリキュアに変身。自分たちがどうして再び変身する力を得たのかをいつもの店で話し合ったのぞみたちは、「誰かを守りたいと願う強い気持ちが、変身する力を蘇らせたのではないか」と推測する。
そんな彼女たちの話に、かつてプリキュアとしてのぞみたちとは別の敵と戦っていた日向咲(ひゅうが さき)と美翔舞(みしょう まい)が割って入る。思わぬ再会に、彼女たちは大いに盛り上がる。

咲が仕事も順調で恋人との結婚も決まって順風満帆な一方、舞は学生の頃に思い描いていたような仕事もさせてもらえず恋人にも別れを告げられるなど、2人は対照的な人生を歩んでいた。それでもその友情は変わらないままで、街中でシャドウに襲われた際にも息の合った連携で危機を脱する。この時、プリキュアだった頃ののぞみたちと敵対していたブンビーも巻き込まれるが、怪人としての力を久々に発揮してなんとか離脱。「私はもう君たちとも悪いこととも無関係」と、見たこと知ったこと全てをのぞみたちに伝えて去っていく。
のぞみもまた、パルミエ王国の王でもある精霊のココと文通を続けていた。プリキュアたちのパートナーとして、小々田コージ(ここだ コージ)という教師としてのぞみたちの活動を支えていたココは、いつしかのぞみと心通わせて相思相愛の関係になっていった。パルミエ王国出身の精霊であるくるみは、あれだけ想い合っていたのぞみとココがはっきり恋仲にもならず別れるでもなく交流を続けていることに呆れるが、のぞみは「教師として一人前になるまでは」と今の状態を受け入れている旨を打ち明けるのだった。

出会いと再会

その後もシャドウたちは次々と事件を起こし、のぞみたちはその正体について調べていく。その中でダークライトナイトという配信チャンネルがもっとも早くシャドウについて言及したことに気付いた一行は、その配信主たちなら何か知っているのではないかと推測。一方、タイムフラワーの開花が不吉な予兆であるとの話を受けて、かつてのぞみたちと共に戦った妖精にしてパルミエ王国の長であるココとナッツは自分たちも日本に向かうことを検討する。
パルミエ王国出身のくるみを通してこれを知ったのぞみは、想いを通じ合わせたココと久々に再開できると喜ぶも、教師になってから4年もの間1度も彼と会っていなかったという現実を前に不安を感じる。そんなのぞみの前にベルという怪人が現れ、「人の心は移ろいやすい。ココの気持ちも変わっているかもしれない、本当に会いたければ4年も放っておくはずがない」と心を揺さぶってくる。

シャドウに囲まれ、プリキュアへの変身も封じられ、絶体絶命ののぞみの前に、パルミエ王国から駆け付けたココが現れる。彼が変わらず自分を想ってくれていることを知ったのぞみは、歓喜と安堵に心震わせ、プリキュウとなってシャドウを撃破。不利を悟ってベルが撤退する中、のぞみはココの前で「会いたかった」と涙を流す。
しかし、再会してなおココはのぞみと一定の距離を保ち続ける。妖精であり、パルミエ王国の若き王でもあるココは、「自分の想いがのぞみの可能性を奪ってしまうのではないか」と案じており、彼女が教師という夢を叶えて以降は連絡も控えるようになっていた。ナッツはそんなココに「いつまでのぞみを悲しませる気だ」と発破をかけつつ、タイムフラワーについて調べるために単身パルミエ王国へと戻る。りんもプリキュアへの変身能力を得てのぞみたちは盛り上がっていたが、タイムフラワーの力が彼女たちにどのような影響を与えるのかはまだ誰にも分からなかった。

忘れられた歴史

こまちがこの街にだけ現れることに気付いたこまちは、「シャドウはこの街に由来する存在なのではないか」と考え、その歴史を調べ始める。若い彼女たちは想像すらしたことのない話だったが、この街は戦災によって一度滅び、ただ1つ残っていた時計台を希望の象徴として再建していったのだという。この時計台には「ベル」という名の天使がいたとされており、こまち、そして彼女と一緒に調査をしていたのぞみとココは「ベルがシャドウを生み出しているのではないか」と考える。
3人で時計台を調べてみるものの収穫らしい収穫は無く、一行はいったん引き上げる。ここにシャドウが現れ、「先人が大変な思いをしながら復興させた街を壊させるわけにはいかない」とこまちが奮起。のぞみ共々プリキュアへと変身し、シャドウを蹴散らす。

結婚を間近に控え、他人から見れば順風満帆のように思えた咲は、本心では「フランスで本格的なパンの修行がしたい」との葛藤を抱えていた。そんな中で舞と共にシャドウに襲われた咲は、かつて共に戦った満(みちる)と薫(かおる)に再会。プリキュアに変身して危機を乗り切ると同時に、ダークナイトライトの配信者でもあった満と薫が突き止めたベルの居場所を知ることとなる。
咲が一念発起して渡仏してのパン修行を決意する一方、のぞみたちは「全員がプリキュアに変身できたのだし、今ならベルを止められる」と彼女が潜伏する時計塔に向かおうと盛り上がる。しかし、少し前から体の不調を感じていたのぞみが不意に昏倒。彼女の未来を暗示するかのように、パルミエ王国ではタイムフラワーが毒々しい花を咲かせていた。

最後の変身

タイムフラワーによる変身は、のぞみたちの体に大きな負荷を与えていた。最悪の場合は彼女たちの命までも奪うことが予想されたため、ナッツは「2度と変身するな」とのぞみたちに厳命。しかし街中に大量のシャドウが出現したのを見て、のぞみたちは「迷っている場合じゃない」とプリキュアへの変身を決意する。彼女たちを止めることができないと悟ったココは、のぞみに「君を失いたくない、生きて帰ってきてくれ」と本心を打ち明ける。のぞみもまた初めて出会った時からココにずっと思いを寄せていたことを改めて伝え、必ず戻ってくることを誓う。
街中のシャドウを次々と打ち倒しつつ、のぞみたちはその中心地である時計塔へと肉薄していく。この異変を感じていたのは彼女たちだけでなく、美墨なぎさ(みすみ なぎさ)と雪城ほのか(ゆきしろ ほのか)の初代プリキュアコンビもまた、街中のただならぬ様子に戦慄していた。

時計台の下に辿り着いたのぞみたちはベルと対峙し、彼女に「どうしてこんなことをするのか」と尋ねる。ベルはこれに「人間にも善良な者がいることは分かるが、そうでない者もたくさんいる。もう時間が無い」と言って、全ての人が死に絶えた廃墟の幻影を見せつける。それがこのまま何もせず時が進んでいった場合の自分たちの街の末路だとベルに断言され、のぞみたちは困惑する。
ベルは人間たちの横暴な振る舞いと度重なる自然破壊によって終焉を迎えた未来から時を渡ってきた存在で、「この時代であればまだ間に合う」と考え、いずれ街を滅ぼす愚かな人間をシャドウによって排除しようとしていたのだった。ベルの言葉に嘘が無いことを理解してプリキュアたちは動揺するが、のぞみの「破滅の未来を知った今の私たちなら、自分たちの手でそれを回避することもできるはずだ」との言葉を受けて奮起。ベルと彼女の操るシャドウを相手に、力を尽くして戦い続ける。そんな中、のぞみはタイムフラワーの副作用で倒れてしまい、巨大なシャドウに叩き潰されそうになるも、プリキュアに変身したなぎさとほのかがこの場に駆け付けて彼女を救出する。

『キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜』の登場人物・キャラクター

夢原のぞみ(ゆめはら のぞみ)

CV:三瓶由布子

中学生だった頃に伝説の戦士プリキュアとなり、世界を脅かす脅威を2度に渡って退けた女性。その頃から目指していた教師になり、生徒たちの夢を純粋に応援しようと心掛ける。しかし現実の前にはうまくいかないことも少なくなく、己の力不足に涙したり、りんと2人で飲みに出かけて愚痴を言い合うこともしばしば。
教師になろうと思い立ったきっかけでもある、中学時代に憧れていた小々田コージことパルミエ王国の妖精ココとの関係は現在は途切れているが、それがどのようなきっかけによってなのかは不明。

夏木りん(なつき りん)

CV:竹内順子

かつてのぞみと共にプリキュアとして戦った仲間の1人。現在はジュエリーデザイナーとして活躍しつつ、趣味でフットサルも続けている。
ジュエリーデザイナーとしては実力も実績も未熟で、思うように仕事をさせてもらえないのが現状。のぞみとは幼馴染の間柄で、中学卒業後もたびたび2人で飲みに出かけては愚痴を言い合っている。

春日野うらら(かすがの うらら)

CV:伊瀬茉莉也

かつてのぞみと共にプリキュアとして戦った仲間の1人。

秋元こまち(あきもと こまち)

CV:永野愛

かつてのぞみと共にプリキュアとして戦った仲間の1人。

YAMAKUZIRA
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@YAMAKUZIRA

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