逃走中 グレートミッション(アニメ逃走中)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『逃走中 グレートミッション』とは、エンターテイメントサバイバルゲーム「逃走中」に挑む若者たちの活躍を描いたオリジナルアニメ作品。ゲームバラエティ番組『run for money 逃走中』を題材としている。
月面コロニーの下層フロアで運び屋をしているトムラ颯也は、弟のハルの病気を治すため、一獲千金を夢見て大人気ゲーム「逃走中」に挑戦する。抜群の身体能力を持つ颯也は、西洞院ルナやモーリス・シューメーカーといったライバルたちと競いながら、「逃走中」のトッププレイヤーへと上り詰めていく。

『逃走中 グレートミッション』の概要

『逃走中 グレートミッション』とは、エンターテイメントサバイバルゲーム「逃走中」に挑む若者たちの活躍を描いたオリジナルアニメ作品。
フジテレビが主催するゲームバラエティ番組『run for money 逃走中』を題材としており、現実の大都市をモデルとした仮想空間内での壮絶な鬼ごっこが描かれる。ただの追いかけっこに留まらず、パルクール的な動きを取り入れたダイナミックなアクションが売りの作品となっている。

月面コロニーの下層フロアで暮らすトムラ颯也(トムラ そうや)は、その抜群の身体能力を活かして運び屋をして日々の糧を得ていた。弟のハルの病気を治すため、颯也は環境のいい上層フロアへの引っ越しを考え、そのための費用を稼ぐために大人気ゲーム「逃走中」に挑戦する。
ゲームの仕掛け人であるハーヴェストから実力を評価され、鳴り物入りで「逃走中」に参加した颯也は、西洞院ルナ(にしのとういん ルナ)やモーリス・シューメーカーといったライバルたちと競いながらトッププレイヤーへと上り詰めていく。

『逃走中 グレートミッション』のあらすじ・ストーリー

「逃走中」への挑戦

月面コロニーの下層フロアで暮らすトムラ颯也(トムラ そうや)は、その抜群の身体能力を活かして運び屋をして日々の糧を得ていた。弟のハルの病気を治すため、颯也は環境のいい上層フロアへの引っ越しを考え、そのための費用を稼ぐために大人気ゲーム「逃走中」に挑戦する。
ゲームの仕掛け人であるハーヴェストから実力を評価され、鳴り物入りで「逃走中」に参加した颯也は、追跡者として設定されているハンターを相手に並外れた活躍を見せ、西洞院ルナ(にしのとういん ルナ)やモーリス・シューメーカーといったトッププレイヤーたちからも注目される。

渋谷の逃走劇

今回のステージは21世紀の渋谷を模したもので、ハンターからの逃走だけでなく街を襲う「大怪獣シブラー」を撃退することもミッションに含まれていた。颯也は他のプレイヤーとも協力してシブラーに対抗し、そのために必要なアイテムを集めていく。しかしシブラーは2度までも復活し、しつこくしぶとくプレイヤーを追い詰めていく。
シブラーを倒すための研究に勤しむ丹波(たんば)博士は、開発した新兵器の運用を颯也たちプレイヤーに託す。3基のビーム砲台で攻撃すれば、今度こそシブラーを倒せるとの情報を得た颯也たちは、その起動に必要なエターナルメタルの輸送を買って出る。その内の1つをモーリスが、もう1つをルナたちがビーム砲台にセットする中、颯也は渋谷ステージで知り合ったプレイヤーたちと協力してエターナルメタルを運んでいく。

しかしこれを返却すればクリアせずとも大金が支払われるというアナウンスを聞いたプレイヤーが颯也たちを裏切り、シブラー攻略は失敗。そのペナルティによりステージクリアはより困難な状況となり、あれこれと初心者の颯也の世話を焼いてくれていたルナもハンターに捕まってしまう。
ここで新たなミッションが始まり、「達成者は脱落した逃走者を1人復活させられる」と聞いた颯也は、「これでルナの失格を無かったことにできる」と一念発起。「エターナルメタルを利用した近接兵器でシブラーを撃破する」というミッションを見事に達成し、ルナをゲームに再参加させることに成功する。あとはハンターたちから逃げ切るだけと思いきや、シブラーが3度目の復活を果たす。より大きく、より活発に動き回るようになったシブラー相手に、颯也たちは逃げ惑う。

ここで最終ミッションが発表され、颯也たちは丹波博士の孫娘のすずを保護し、彼女の持つエターナルメタルで最終兵器を完成させ、これでシブラーを倒すことを強いられる。ミッションに失敗すれば賞金が半減すると聞いて色めき立つ逃走者たちだったが、モーリスの指示で一致団結してこれを乗り越えようと覚悟を決める。
その間にもハンターの追跡は続き、颯也たちを逃がそうとしてルナが捕まる。それでも各々が力を尽くし、ついにシブラーを撃破。あとは既定の時間まで逃げ続ければクリアとなるも、颯也は瓦礫の中で立ち往生していた丹波博士たちを救おうとしてハンターに確保される。他の逃走者たちも次々と捕まる中、モーリスは最後まで逃げ切り、10回連続の優勝を果たす。

飛び入りの形で参加した颯也は、その後参加資格を剥奪されてしまう。あと少しで賞金を獲得してハルの病気を治すこともできたのにと落胆する颯也に、モーリスから「これは君が受け取るべきものだ」との手紙と共に賞金の一部が贈られる。彼の粋な計らいに感動しつつ、颯也は「もう1度逃走中に出たい、ルナやモーリスと共に戦いたい」との想いを強くしていく。

蘇る魔人信長

颯也が逃走中に挑戦し、あと一歩のところで敗退してから数か月。モーリスが譲ってくれた賞金によりハルは手厚い治療を受け、ほぼ健康な状態にまで快復していた。一方の颯也は以前と同じく運び屋として働きながら、逃走中に挑む中で感じた熱い気持ちを忘れられずに鬱屈した日々を過ごしていた。
そんなある日、颯也は街で話題の怪盗シグマ・レッドウィングと邂逅。自分に匹敵するかそれ以上の身体能力を見せつける彼に驚愕すると同時、「お前が逃走中で最後に捕まったのは甘さを捨てられなかったからだ」と揶揄されて反感を抱く。そんな折、クロノス社は新たなイベントとして「逃走中 グレートチャンピオンシップツアー」の開催を決定。これは一度のステージで決着するのではなく、複数のステージでの総合成績で最強の王者を決めんとする大々的なもので、前回での活躍を評価されて颯也もこれに参加することとなる。

ルナやモーリスなどの有名選手とも会場で再会し、再び一緒に逃走中に挑めることを彼女たちと喜び合う颯也。そこに新規挑戦者としてシグマが現れ、「その甘さで自分の邪魔をするな」と颯也を挑発する。
かくしてツアーの初戦が開始。今回のステージは江戸時代の尾張を模した城下町で、歴史を歪めて復活した織田信長が天下を我が物にせんと策謀を進める世界だった。颯也たちは、尾張家の生き残りであるオワリ五郎太(オワリ ごろうた)を守りながらステージとミッションの攻略を目指していくこととなる。

颯也たちは追跡者から逃れつつ、五郎太と彼の3人の側近たちを援護。信長の配下のドクロ四天王の追撃を回避しながら、ステージミッションとして指定されたエリアに五郎太たちを誘導していく。ならばとドクロ四天王が指定エリアに続く橋を破壊し始めたのを見たモーリスは、このままではミッションに失敗すると判断し、颯也に後を託して敵の足止めを買って出る。驚く颯也の前で、モーリスはドクロ四天王の放った炎の渦の中に消える。
モーリスはそのまま行方不明となり、それを嘆く暇も無いまま新たなミッションが発生。なおも追撃してくるドクロ四天王を、五郎太の側近の1人と協力して迎え撃てというのだ。逃走者たちは力を合わせてこれを遂行し、颯也とシグマの活躍でついにドクロ四天王の2人目を撃破。無事にミッションをクリアする。

ドクロ四天王の残り2人も撃破し、勢いに乗る颯也たち。このままミッションをクリアして逃走も成功させようと盛り上がる中、ついに信長が出陣する。さらに今まで彼に知恵と力を貸していた謎の人物の正体が、五郎太の生き別れの兄であるオワリ鷹宗(オワリ たかむね)であることが判明。「どうして」と絶句する五郎太に、鷹宗は「父がオワリ家を弟に継がせようとしていたことが憎くてたまらなかった」と憎悪の言葉を返す。
信長の目的は、魔界の扉を開いてさらなる力を手に入れることにあった。オワリ家は代々その門を守護する血筋であり、鷹宗はその嫉妬心を利用されて信長に踊らされていたのだった。信長の策略に追い詰められる逃走者たちだったが、行方不明だったモーリスがここに駆け付け、彼の協力を得て魔界の門の封鎖に成功する。これを見た信長は、鷹宗から力を奪って魔界から直接力を抽出し、強大な魔人へと変貌。颯也たちの前に立ちはだかる。

シグマを含む失格者を出しながらも颯也たちはこれを撃破し、ついにオワリに平和を取り戻す。信長もまたこの世に満ちる怨念にその身を支配された存在であり、自分を解放してくれた五郎太に「見事だ」との称賛を言い残す。全てのミッションをクリアした颯也たちは、残された時間でハンターたちを相手にした逃走劇を繰り広げていく。しかし穴に落ちそうになっていたルナを助けようとして、颯也は最後の最後で不覚を取って失格。このステージではモーリスとルナが逃走を成功させ、賞金とツアーポイントを獲得する。

新たなる挑戦者たち

颯也たちがオワリステージで信長を相手に逃走劇を繰り広げていた頃、ハルはクロノス社のハーヴェストの来訪を受ける。ハーヴェストは、かつてハルが渋谷ステージを駆け回っていた颯也を助けるために不正アクセスしたことを調べ上げていた。「罪に問われるのか」と肝を冷やすハルだったが、ハーヴェストは意外にも彼のハッカーとしての力量を絶賛し、「逃走中」に新たな波乱を生み出す存在としてクロノス社にスカウトする。「逃走中」に関われるかもしれないと考えたハルは、半信半疑ながらこれを承諾。そこで改めて兄の活躍を目の当たりにし、「颯也を超えたいと思わないか」とハーヴェストに唆される。
オワリステージでのモーリスの負傷は軽いものではなく、彼はしばしの入院を余儀なくされる。新たなステージの開催が発表されるも、モーリスは治療に専念するため参加しないことを決意。見舞いに行った先で本人からそれを聞かされた颯也は、「最終的に勝利するための前向きな逃走」だと評価し、モーリスの帰還を心待ちにしている旨を告げる。

「モーリスがいないなら、その分だけ自分にも逃走成功者となるチャンスが回ってくる」とやる気になる颯也は、ボディマージという義肢のエンジニアがやってのけた不可思議な動きを見て、それが自身の新たな力になるのではないかと考えるようになる。一方、ハルから「自分も逃走中に挑戦できるだろうか」と尋ねられた際には、その過酷さを知るからこそ「お前には無理だ」と答えてしまい、かえって彼の反感を買う。
やがて始まった新ステージは、霧煙るロンドンを模した場所が舞台だった。ルナやシグマといったなじみのライバルたちに加えて、新たな挑戦者も次々と集まるが、その中にはジョン・ドゥこと仮面で顔を隠したハルの姿もあった。

ロンドンに潜む怪異

ロンドンステージでは、切り裂きジャックという謎の怪人による連続殺人事件が発生していた。逃走者たちはハンターから逃げつつこの事件に挑むこととなり、不慮のアクシデントに備えて団体行動を取らされる。颯也はシグマ、ルナはハル、さらにそれぞれ数人の仲間と組む形になり、一行はハンターから逃げ回りつつロンドン各地に散っていく。
切り裂きジャックは次なる事件の犯行予告を残していくのが常であり、一部の逃走者たちはこれを読み解いて先行しようと試みる。一方颯也たちはロンドン警察の面々と共に切り裂きジャックのアジトを突き止めるも、トラップにはまって絶体絶命。トドメを刺さんと切り裂きジャックが迫りくる中、颯也は新ステージに合わせて実装された新たな機能を使ってこれを返り討ちにする。これはイギリスに伝わる伝説の幻獣を模した力を発動するもので、颯也は教会の守護獣チャーチグリム、シグマは亡霊レイス、ルナは妖精フェアリーの力を手に入れる。

一方、ハルは予告状の謎を解き明かし、切り裂きジャックが次に狙う場所を突き止めていた。一行がそこに先回りすると、果たして切り裂きジャックが出現。颯也はシグマと協力してこれを倒し、危ういところで「切り裂きジャックの捕縛」というイベントを成功させる。犯人はロンドン警察に確保されるも、切り裂きジャックとして活動した時期のことは何も覚えておらず、一行を嘲笑うかのように新たな予告状が出現。「切り裂きジャックはまだ滅んではいない」との予感と共に、ステージは続いていく。
逃走者たちが手に入れた幻獣の力はいつでも自由に使えるわけではなく、体力を激しく消耗する上に強化されたハンターたちを招き寄せる諸刃の剣だった。そんな中、今度は水底に人々を誘い込む妖鳥セイレーンによるオペラ歌手の誘拐事件が発生。逃走者たちがそれぞれに活躍してこの事件は解決するも、またも新たな犯行予告が発見される。「吸血鬼ドラキュラによって死の病が広まり、ロンドンが滅びる」というその内容に、一行は戦慄する。

魔物と化した女性たちを救出し、彼女たちからもらった切符を使ってドラキュラの住まう古城へと向かった颯也たちを待っていたのは、ファントムという怪物の群れだった。影を利用してこちらの動きを封じてくるファントムとハンターに追い詰められ、逃走者たちが1人また1人と囚われていく中、颯也は退魔の力を持つ槍を手に入れる。これによってファントムへの対抗手段を得た一行は、改めてドラキュラの待つ城を目指していく。
ドラキュラに操られた人々の襲撃を切り抜けつつ、颯也はシグマと協力してついにドラキュラに槍に叩き込み、これを討ち滅ぼすことに成功。しかしこの戦いの中で颯也は仮面の逃走者の正体がハルであることを知り、落ち着いて話をする間もなく彼を庇ってハンターに捕まってしまう。颯也という中核となるプレイヤーを欠いたまま、一行はロンドンに迫る新たな怪異ミノタウロスとその迷宮に挑む。

ミノタウルスを使役していたのは、石化の視線を持つ魔人メデューサだった。ここでハルはメデューサに石化させられた人々の解放というミッションを成功させ、その報酬として颯也を解放。兄弟は再会を喜ぶと同時、「これからは兄弟であり、同時にライバルだ」と互いを称える。同じ頃、シグマはメデューサに捕らえられるも、その瞳の美しさに恋をした彼女の配慮によって石化は免れるのだった。
自身の潜む迷宮の中に入り込んできた逃走者たちを次々と石化させていくメデューサだったが、颯也たちはその弱点が鏡であることを突き止める。自力で脱出したシグマが調達した、鏡のように磨き上げられた剣を利用してメデューサを倒した一行は、これでようやく全てのミッションをクリアしたと安堵しながら帰路に就く。その途中、何人もの脱落者を出しつつ逃走者の中に潜んでいた殺人鬼との対決を征した颯也たちは、いよいよロンドンで起きたいくつもの怪異の黒幕へと辿り着く。

一連の事件の黒幕は、ゼペットという名のマッドサイエンティストだった。これまでロンドンで起きた数々の事件は、全て彼が自分の研究のために起こしたもので、その研究成果を持ったままゼペットは国外に逃亡しようと画策していた。何人もの脱落者を出しつつ、ついにその野望を挫く颯也たちだったが、その代償に彼らの体力も尽きようとしていた。
ハンターたちの追撃から逃げ回る逃走者たちだったが、1人また1人と確保され、残り数秒というタイミングで最後の逃走者だった颯也も捕まってしまう。かくして、ロンドンステージはクリア者無しで決着するのだった。

颯也の修行

颯也が最後の最後に捕まってしまったのは、幻獣の力の使い過ぎによる体力の消耗が大きな原因だった。かつて逃走中のチャンピオンとして名を馳せたガスティンは、颯也の素質を見込んでこの点を指摘し、「もっと幻獣の力を使いこなさないとモーリスに勝つことはできない」とのアドバイスを送る。
懐かしの渋谷ステージを再現した場所へと颯也を招いたガスティンは、「1人でこれをクリアしてみせろ」と彼に命じる。伝説的な逃走者が直々に修行を見てくれることを喜んだ颯也は、早速渋谷ステージに挑戦し、失敗を重ねながらも己を鍛えていく。

熱砂の王国

渋谷ステージの単独クリアに成功した颯也は、今こそその成果を試す時と再び逃走中に挑戦。今度のステージは古代エジプトを模したジャガリア王国という場所で、何者かに復活させられた冥界の神アヌビスによって街中に大量のミイラが放たれる。人々を襲うミイラから街を守れとのミッションが始まり、逃走者たちがそれぞれに活躍する中、颯也もまた修行の中で得た力を発揮する。
ジャガリア王国のカイト王子は、そんな逃走者たちを「何者かは分からないが信頼できる人物だ」と判断し、得意の魔法で援護する。ミイラを封じるミッションを成功させ、カイト王子やジャガリア王国の人々からの信頼を得る逃走者たちだったが、ここで思わぬ事態に巻き込まれる。カイト王子は隣国のガルーダル王国の王女であるレイラと恋仲だったが、2つの国は一触即発の緊張状態にあるという。事情を知った颯也たちは、カイト王子の力になれることはないかと考えるが、その矢先に突如現れた砂の魔人がレイラを連れ去ってしまう。

レイラと砂の魔神を追って街の外へと向かった颯也たちは、アヌビス神の神殿へと辿り着く。その途中で砂の魔人に襲われた一行は、脱落者を出しつつこれを撃破。この時、カイト王子が王家に伝わる短剣を落としてしまい、事件の陰で暗躍していた謎の人物に奪われてしまう。アヌビスのことを颯也たちに任せて短剣を追ったハルは、ジャガリア王国の神官ザムザが全ての仕掛け人であることを知るも、彼に反撃されて消息を絶つ。
一方、レイラを救うためにアヌビス神の神殿に突入した颯也たちは、ハンターの猛追に脅かされつつもその最深部へと到達。すさまじい力を持つアヌビス神に苦戦するも、これを封じるための儀式があることを突き止め、なんとか退ける。しかしレイラはすでに魂を完全に抜かれており、ザムザは王家の短剣とレイラの魂を使って伝説のファラオを蘇らせる。「王女を殺された」と思い込んだガルーダル王国はジャガリア王国に宣戦布告し、両国の間で戦争が始まってしまう。

カイト王子によれば、レイラはまだ完全に死んだわけではなく、彼がガルーダル王国との決闘に勝てば生き返るという。「共に戦ってほしい」とのカイト王子の要請に応えるべく、何人もの脱落者を出しつつも、颯也たちは決闘が行われる小島へと赴く。復活したファラオもまた、王族の魂をさらに吸収して力を回復するべく、同じ場所へと向かう。
小島で颯也たちを待っていたのは、今回の逃走中には参加していないはずのモーリスや行方を絶ったハルだった。実はガルーダル王国側でも“別の逃走中”が開催されており、彼らはこれを勝ち残って小島までやってきたのだという。「全ての敵を倒せ」との奇妙な内容のミッションが開始され、戸惑いながらも颯也たちが戦う中、ファラオも本格的に動き出す。

決闘自体は颯也たちが与するジャガリア王国側が勝利するも、その時にはすでにファラオは王族の魂をいくつも食らい、神々すら凌駕するほどの力を獲得していた。決闘の勝利者に与えられる強力な魔法もファラオには通じず、一行は苦戦を強いられる。しかしハルがファラオを内部から攻撃することを提案し、颯也とカイト王子が危険を承知でこれを遂行すると、さすがのファラオも力尽き、両国に迫る危機は回避される。ファラオに命を吸われた王族たちも蘇り、晴れてカイト王子とレイラの婚姻も認められるのだった。
これにて今回のステージのイベントは全て終了し、颯也たちは残る時間を使ってハンターたちから逃げ続ける。逃走者たちがそれぞれに奮闘し、力及ばず確保されていく中、颯也は義足の不具合から崖下に落下したガスティンを救おうと咄嗟に幻獣の力を解放。体力を大量に消耗して気を失う。結局これが原因で颯也とガスティンはハンターに捕まってしまい、今回のステージはモーリスやルナたちが逃走成功者となるのだった。

新たなる可能性

またも最後の最後で逃走失敗した颯也は、「自分はまだ幻獣の力を使いこなせていない、そもそもこれはいったいどういうものなのか」と考え、往年のチャンピオンでもあるガスティンの下を訪ねる。ガスティンによれば、幻獣の力を顕現させる「ウォークライ」というシステムは、使う者の本来の在り方を解放するものであるという。大切な者が傷つきそうになるたびに颯也が暴走しかけるのも、これが原因だった。
ウォークライはガスティンも開発に携わったシステムで、当初は「危険が多い」として封印されたものだった。ガスティンはあまり使わないよう勧めるが、そう説明されてなお颯也は「まだ未知の可能性があるということなら使いこなしてみせる」と豪語。ウォークライに大して、かつての弟子であるモーリスとは真逆の答えを出した颯也を見て、ガスティンは「この男こそは逃走中に新しい時代を築く存在となる」との期待をさらに強くする。

『逃走中 グレートミッション』の登場人物・キャラクター

主要人物

トムラ颯也(トムラ そうや)

CV:森久保祥太郎

月面コロニーの下層フロアで運び屋をしている、明朗快活な17歳の少年。抜群の身体能力を持つ。
弟のハルの治療のため、一獲千金を求めて「逃走中」に参加する。

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