「スターオーシャンブルースフィア(以下、SOBS)」は1998年に発売された「スターオーシャン」シリーズの二作目、「スターオーシャンセカンドストーリー(以下、SO2)」の続編にあたる作品です。
SO2では、仲間にできるキャラクターの上限があらかじめ決定されていたほか、
・クロード編ではディアスは仲間にならない
・レナ編ではレオンは仲間にならない
・プリシスとボーマンは同時に仲間にならない
・アシュトンとオペラは同時に仲間にならない
などのように、仲間に出来るキャラクターにも細かな組み合わせがありました。
しかし、SOBSではSO2に登場したすべてのキャラクターを仲間にすることができ、SO2ではあり得なかった組み合わせでもパーティが組めることが大きな話題を呼びました。
また、ストーリーはSO2のエンディングである「十賢者との戦い」から二年後という設定。
2年の間に皆それぞれ、変わったり変わらなかったり、ちょっと大人になっていたり……まるで同窓会のように始まっていくストーリーが、多くのSO2ファンを虜にしました。
物語の序盤~中盤で何度も行き来する街「アバシティ」。
ここでメンバーはネネという女性の人助けをすることになりますが、そのイベントの後、もらえる報酬が機種によって変わるのです。
白黒ゲームボーイ→マイトチェイン
ゲームボーイカラー→ルナタスマリン
ゲームボーイアドバンス→リーフペンダント
ここで手に入るアクセサリーは、レア度(使える度)としては
マイトチェイン>ルナタスマリン>リーフペンダント
という順番になります。
つまり、「(当時)最新機器アドバンスを持っている人より、初代ゲームボーイを持っている人のほうがいいアイテムが手に入る!」という仕掛けがされているのです。
物語後半で起こるプライベートアクション「レナの人助け」においても報酬が手に入りますが、やはり
白黒ゲームボーイ→けんじゃのいし
ゲームボーイカラー→レインボーダイヤ
ゲームボーイアドバンス→オルハリコン
と白黒版の場合にのみレアアイテムが手に入ります。
さらに、中盤のグラヴィスの洞窟までの道中にも面白い仕掛けが。
道中、フィールド上に謎の塔が出現しますが、ゲームボーイカラーやアドバンスでプレイしていてもただのオブジェのようにしかみえません。
しかし、白黒ゲームボーイでプレイすると、同じ建物に突如扉が出現!
その扉をくぐると、激レアアイテム「ブルースフィア」が手に入るのです!
このようにSOBSは、当時主流となっていた「ゲームボーイアドバンス」だけでなく、下火になっていた「初代ゲームボーイ」プレイヤーへの配慮に満ちた作品なのです。
やり捨てが多くなってしまうゲーム業界において、こうした仕掛けはニヤッとしてしまうのはもちろん、製作サイドの「ゲーム愛」が透けて見えますね。