吉屋信子の小説「徳川の夫人たち」で描かれた「大奥」とは?

「大奥」を題材にした作品は漫画・ドラマ・映画とたくさんありますが、実は文学の世界にも「大奥」をテーマにしたものがあります。その代表作が、吉屋信子(よしやのぶこ)の『徳川の夫人たち』。女の世界を余すところなく描いた本作は、「大奥」ファンだけではなく歴史や時代小説が好きな人にも愛読されているようです。この記事で簡単に内容をまとめたので、気になった方はぜひ本作で読書にチャレンジしてみてください。

大奥ファンなら読んでおきたい4冊

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徳川の夫人たち 上

内容(「BOOK」データベースより)

徳川三代将軍家光が見初めた女性は、公卿・六条家の出身で格式ある尼寺の院主となる17歳の娘だった。無理やりに還俗させられ“お万の方”と名を与えられた彼女は、春日局をはじめとする大奥の女人たちからの嫉妬を受けながらも、たおやかに「女の園」を生き抜いていく。

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徳川の夫人たち 下

匂い立つ美

三代将軍の愛妾・お万の方を中心に、春日局や徳川家光・大奥を取り仕切る才女達を描いた傑作。
伽羅の香りや衣装の美しさが目に見えるような美しい文に陶然としながらあたかも自分が徳川将軍家後宮にいるような気分になる。
春日局が形作った江戸大奥を、美しく才気ある京の姫が洗練された優雅さをもって統べていく様は華麗である。
比丘尼から還俗させられて召し出されたお万の方は苦しみ悩みながら、ただ側妾としてかしずくのではなく女として、将軍の支えとして成長していく。
本を開いた時の印象に反して難しい表現もなく、読み始めると世界に没頭してしまう。
2004年「大奥」でもお万の方が登場・クローズアップされるみたいですね。
興味を持たれた方は是非両方を!

歴史小説は男が中心に描かれているものが多いがこの本では女たちの姿が描かれている。
食事や生活習慣、御台所の爪の切り方、身分の違いによるトイレの使い方など微に入り細を穿つ調査に基づいた描写に驚かされる。
続巻も併せたこの4冊自体が貴重な資料でもある。
5つ星のうち 5.0
By yuma

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続 徳川の夫人たち 上

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徳川の夫人たち 上

「徳川の夫人たち」が面白かったので「続‐」も購入しました。
お万の方の人生を描いた「徳川の夫人たち」に比べ、こちらは歴代将軍の大奥に働く女性たちを中心に様々な主人公を描いて短編集のように進行します。
ただ切れ切れに主人公が変わるのでなく、歴史の流れにそって話が途切れることなくすんなりと次の主人公に移行しますので、短編嫌いの私にも抵抗なく楽しめました。

一人の人生をじっくりと読み込むのではありませんが、豊富な資料と周到な調査の上に、今までスポットの当たらなかった女性たちについて個性豊かに描かれている点は、面白かったです。
ただやはり前作のような濃厚な物語を期待した方にはちょっぴり物足りなさを感じるかな、という点で星4つです。
5つ星のうち 4.0
By 2男児のマミー

歴史好き・歴史小説好きなので、この時代の小説ものはたくさん読んでいます。

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「徳川の夫人たち」「続・徳川の夫人たち」も、永井路子版も宮尾登美子版も、他にもたくさん大奥小説読んでいます。
どれも特色があっておもしろいですね。同じ人物なのに性格設定も全然ちがったりして。

作者

ja.wikipedia.org

fuk9502
fuk9502
@fuk9502

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