石田三成が武州の忍城を攻める!そこに真田昌幸&信繁親子が参戦してた件

NHK大河ドラマの『真田丸』で、石田三成の忍城(おしじょう)攻めが描かれたことがありました。豊臣秀吉の命を受けてこの地にやってきた三成ですが、なかなか落とせずにいたところ、援軍が到着。その中には、真田昌幸・信繁親子の姿がありました。この忍城攻めには三成にとってどんな意味があったのか、この記事でまとめています。

「武」の左近

慶長5(1600)年の関ケ原合戦においては、三成が西軍の事実上の主将であった。左近は9月14日の杭瀬川(くいせがわ)の戦いで、東軍の中村一栄(かずひで)・有馬豊氏(とようじ)隊を撃破し、その実力を存分に見せつけたが、翌日の決戦では、激戦の最中、東軍黒田長政隊の放った鉄砲に撃たれて、戦死を遂げたと伝えられる。

世に「三成に 過ぎたるものが二つあり 島の左近と 佐和山の城」とうたわれた石田三成の重臣島左近。三成の所領が4万石だった時に半分の2万石を与えて左近を召し抱えたとの有名な逸話が伝えられる。

出典: ironna.jp

城主城代の成田泰季の見事な戦いぶり

忍城が築かれた場所は、北は利根川、南は荒川に挟まれた扇状地で、忍川などの小さな川が乱流するとともに、伏流水(ふくりゅうすい)が寄り集まって広大な沼地を形成していた。そして、そこに残る小島や自然の堤防をたくみに利用して、忍城が築かれたと云う。

出典: wp.mikeforce.net

天正18(1590)年、城主成田氏長(なりたうじなが)が小田原に加勢で不在の中、突如現れた石田光成率いる豊臣勢20000に囲まれた武蔵国(むさしのくに)忍城。
城代成田泰季(なりたやすすえ)も籠城戦最中に病死。そして立ちあがったのが劇中で野村萬斎演じる泰季(やすすえ)の息子、成田長親(なりたながちか)。

出典: hayaokisanmon.hatenablog.com

出典: www.bell.jp

忍城攻めでは元荒川の水を城周囲に引き込む水攻めが行われ、その際の遺構が石田堤として周囲に現存している。関東各地の後北条氏のほとんどの支城は本城である小田原城よりも先に陥落したが、忍城では小田原開城後の7月初旬まで戦闘が続いた。

出典: ja.wikipedia.org

忍城攻めを取り上げた名小説「のぼうの城」

出典: www.amazon.co.jp

のぼうの城

のぼうの城 上 (小学館文庫)
2007/11/28
和田 竜

周囲を湖に囲まれ、浮城とも呼ばれる忍城(おしじょう)。領主・成田氏一門の成田長親は、領民から「でくのぼう」を略して「のぼう様」と呼ばれ、親しまれる人物であった。

豊臣軍にケンカを売った、でくのぼうがいた。

出典: nobou-movie.jp

天下統一目前の豊臣秀吉は、関東最大の勢力北条氏の小田原城を攻略せんとしていた(小田原征伐)。豊臣側に抵抗するべく、北条氏政は関東各地の支城の城主に籠城に参加するよう通達した。支城の一つであった忍城主の氏長は、北条氏に従うように見せかけ、裏で豊臣側への降伏を内通し、籠城作戦に参加していた。

出典: ja.wikipedia.org

出典: www.shouzou.com

「武州・忍城を討ち、武功を立てよ」秀吉にそう命じられ、石田三成は成田氏が既に降伏を決めていることを知りながら、戦を仕掛けるため、あえて傲慢な振る舞いをする軍使長束正家を使者として遣わせ、まんまと策略にはまった総大将・長親は「戦」を選択した。当主・氏長より降伏を知らされていた重臣たちは、初め混乱するが覚悟を決め、かくて忍城籠城戦は幕を開けた。

出典: ja.wikipedia.org

太閤秀吉の天下統一の総仕上げ「小田原北条攻め」のエピソート。

三成率いる2万超の軍勢に、農民らを含めても3千強の成田勢。総大将たる長親は、将に求められる武勇も智謀も持たない、その名の通りでくのぼうのような男。だがこの男にはただ一つ、他人に好かれる才能、特に異常なほどの民からの「人気」があった。
地の利と士気の高さから、緒戦は忍城側の圧勝であった。三成は、近くを流れる利根川を利用した水攻めを行うことを決定する。総延長28キロメートルに及ぶ石田堤を建設し、忍城は本丸を除いては城下を含めて水に沈む。この水攻めに対する長親の策は、城を囲む湖に船を出して、敵兵の前で田楽踊りを披露することであった。

出典: ja.wikipedia.org

出典: pds.exblog.jp

日本の三大水攻めの1つらしい。

この忍城の戦いは日本三大水攻めの一つに数えられる。日本三大水攻めとは、備中高松城攻め、紀州太田城攻め、そして忍城の戦いです。

出典: blog.aoplanning.com

備中高松の水攻め

備中高松城の戦いは、日本の戦国時代におきた戦い。天正10年(1582年)に織田信長の命を受けた家臣の羽柴秀吉が毛利氏配下の清水宗治の守備する備中国高松城を攻略した戦いである。秀吉は高松城を水攻めによって包囲したことから、高松城の水攻め(水責め)とも呼ばれる。

むかしは重機もないのに、とんでもないスケールの仕事をなしとげるものです。

石田三成は備中高松城攻めに倣って、のちに石田堤と呼ばれる全長14kmにも及ぶ堤防を築かせ、利根川や元荒川の水流を利用した水攻めを敢行した。

出典: wp.mikeforce.net

水を流すも、実際には城の場所は地形的にやや標高が高かったため水が入ることはなかったようです。水に囲まれた城の姿はまるで湖に浮いたようだったと後世の軍記物には記されています。

出典: guide.travel.co.jp

フィクションもまじるが、「のぼうの城」でみる忍城攻めのストーリーはおもしろい。

三成の指示で雑賀衆が、田楽踊りを踊る長親を狙撃するが、長親は一命を取り留める。城に入らず場外で堤作りに雇われていた百姓の中から、長親が撃たれたことと、耕していた水田を台無しにされた怒りから石田堤を壊す者が現れ、ついには水攻めが失敗する。

出典: ja.wikipedia.org

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