サン=テグジュペリ「星の王子さま」の日本語訳はどれがいい?翻訳者別比較

『星の王子さま』といえば、フランスの作家サン=テグジュペリによる名作文学です。これを日本語訳で読みたい場合、困るのがどの翻訳者のものが一番良いのかということ。翻訳者によってニュアンスに違いがあったり、読みやすさが変わったりするので、選ぶだけでも大変ですよね。そこでこの記事で作中の有名な箇所の日本語訳を翻訳者別に並べてみました。比較してみて、あなたと相性の良いものを見つけてくださいね。

出典: ami42.tripod.com

第2章 末尾

「そんな心配、いらないよ。だから、ぼく、ほんのちっぽけなヒツジ、かいたんだ」
ぼっちゃんは、絵をのぞいて見ながらいいました。
「そんなにちっぽけじゃないな……おや! ねちゃったよ、このヒツジ……」
こうして、ぼくは、王子さまと知りあいになりました。

「こいつが食べる分くらいちゃんとあるさ。これはとても小さなヒツジだからね」
彼は絵の方に頭を傾けた。
「そんなには小さくないよ。あ、見て、寝ちゃった」
こんな風にして、ぼくは王子さまと知り合った。

「大丈夫だ。うんと小さい羊を描いたから」
男の子は絵をのぞきこみながらいった。
「そんなに小さくないよ……ほら、眠っちゃったよ、この羊……」
私が王子さまと知り合ったのはこんなふうにしてだった。

「きっと大丈夫さ。小さなヒツジをあげたからね」
彼は絵をのぞき込みました。
「そんなに小さくはないよ……。おや! 眠っちゃった……」
こうしてわたしは、小さな王子さまと知り合いになったのです。

「きっと、十分だと思うよ。ほんとに小さな羊をあげたんだから」
彼は絵を覗き込みました。
「それほどちっぽけでもないな……おや! 眠っちゃったよ……」
こうして、ぼくは王子さまと知りあいになったのでした。

「だいじょうぶだよ、きっと。きみにあげたのは、とっても小さいヒツジだもの」
男の子は、絵をのぞきこんだ。
「そんなに小さくないよ……あれ! 寝ちゃった……」
こうして僕は、この小さな王子さまと、知り合ったのだった。

「きっと、だいじょうぶだよ。とても小さなヒツジを君にあげたから」
絵のほうをのぞきこんで、
「そんなに小さくないよ……。 おや、眠っちゃった……」
こんなふうにして、ぼくは王子さまといろいろ話をするようになったのです。

「きっと足りるさ。描いてあげたのはほんのちいさなヒツジだよ」
坊やは絵に顔を近づけてながめた。
「そんなにちいさくもないなあ……。 ほら! ヒツジくん、眠ってるよ」
こんなふうにして、ぼくはちいさな王子と知りあいになったのさ。

――だいじょうぶだよ。すごく小さなヒツジをあげたからね。
男の子はデッサンをのぞきこみました。
――そんなに小さくないよ……おや、眠っちゃった……
こんなふうにして、わたしは王子と知り合ったのです。

「それはだいじょうぶ、絶対。ほんのちびすけの羊だからね」
彼は絵にむかって首をかしげた。
「そんなにちっちゃくもないじゃん……おお! 寝ちゃったよ……」
こんなふうにしてぼくはちび王子と知り合ったのだ。

第21章 末尾

「じゃ、さよなら」と、王子さまはいいました。
「さよなら」と、キツネがいいました。「さっきの秘密をいおうかね。なに、なんでもないことだよ。心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」
「かんじんなことは、目には見えない」と、王子さまは、忘れないようにくりかえしました。

「さようなら」と彼は言った。
「さようなら」とキツネは言った。「じゃ秘密を言うよ。簡単なことなんだ――ものは心で見る。肝心なことは目では見えない」
「肝心なことは目では見えない」と王子さまは忘れないために繰り返した。

「さようなら」と王子さまはいった。
「さようなら」と狐がいった。「おれの秘密を教えようか。簡単なことさ。心で見ないと物事はよく見えない。肝心なことは目には見えないということだ」
「肝心なことは目には見えない」と王子さまは忘れないように繰り返した。

「さようなら」と、彼は言いました……
「さようなら」と、キツネは言いました。「ぼくの秘密を教えてあげよう。とても簡単なことだ。心で見なくちゃよく見えない。大切なことは目には見えないんだよ。」
「大切なことは目には見えない」と、小さな王子さまはよく覚えておこうと繰り返しました。

「さようなら」と王子さまが言いました。
「さようなら」と狐が言いました。「ほら、秘密をプレゼントするよ。これはとても単純なものだよ。心で見ないと、ものごとはよく見えない。肝心なことは、目に見えない。これがきみに贈るぼくの秘密だよ」
「肝心なことは、目に見えない」と王子さまはよく覚えておくために、繰り返しました。

「さようなら」王子さまは言った……
「さようなら」キツネが言った。「じゃあ秘密を教えるよ。とてもかんたんなことだ。ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない」
「いちばんたいせつなことは、目に見えない」忘れないでいるために、王子さまはくり返した。

「それじゃ、さようなら」と王子さまは言いました……。
「それじゃ、さようなら」とキツネが答えました。「これから、ぼくの知っている秘密を教えてあげるよ。とても簡単なことさ。心で見なければ、よく見えてこない。大切なものは目には見えないんだ」
「大切なものは目には見えない」と王子さまは何度も口に出して、しっかり覚えようとしました。

「さよなら……」
「さよなら。じゃあ、秘密を教えてあげよう。とてもかんたんだよ。心で見なくちゃ、ものはよく見えない。大切なものは、目には見えないんだよ」
「大切なものは、目には見えない」ちいさな王子は、忘れないようにくりかえした。

――さよなら。
と、王子は言いました。
――さよなら。
と、キツネも言って、こうつづけました。
――ぼくの秘密を教えてあげるよ。とても簡単なことさ。心で見ないと、なにも見えない。いちばん大事なことは、目には見えない。
――いちばん大事なことは、目には見えない。
王子は、忘れないように、くりかえしました。

「さよなら」と王子はいった……。
「さよなら」ときつねがいった。「ぼくの秘密をいうよ。すごくかんたんなことだ。心で見なければ、よく見えないっていうこと。大切なことって、目には見えない」
「大切なことって目には見えない」とちび王子は、そのことばを忘れないようにくりかえした。

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