大谷翔平がついに入団を決意!日本ハムの誠実さ溢れる交渉術を紹介

高校卒業後はプロ野球入団ではなく、メジャー挑戦を表明していた大谷翔平。ここでは彼を口説き落とした日本ハムファイターズの交渉術を紹介しています。大谷自身を成長させたいという気持ちが伝わる、チームの誠実な交渉姿勢を画像付きでまとめました。

「本日 北海道日本ハムファイターズに入団させていただくと伝えました」

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2012年12月9日

日ハムとの入団交渉後 会見でこのように述べた大谷
メジャー挑戦から一転 日ハムへの入団を決めた

メジャーへの挑戦の意志は固いと見られていただけに 日ハムにとっては大逆転勝利ともいえる

彼の気持ちを変えた日ハムの交渉とはどんなものだったのだろうか?

【2012年10月21日】 メジャーリーグ挑戦を表明

「入学当初からの夢だった。若いうちに行きたい思いがあった。日本のプロにも憧れはあったが メジャーへの憧れの方が強かった」

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ドラフトを前に メジャー挑戦を表明する会見を開いた大谷

「難しい決断ではあった。自分の意見と両親や周りの意見で食い違うところがあって 迷った。すごく悩んでいたので ほっとした」とも語った

父親の徹さんは日本でのプレーを勧めたというが 最後は息子の意思を尊重したという

【2012年10月25日】 日ハムがドラフトで大谷を1位指名

▼ドラフト後の栗山監督
「大谷君からすれば「何すんだ」っていうこともあるだろうし それに対しては正直に本当に申し訳ない。とりあえず(大谷サイドに)話を聞いてもらえたら うれしい」

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ドラフト前から 大谷指名を表明してた日ハム

栗山監督は 「大谷君には本当に申し訳ないけれど指名をさせていただきます」と語っていた

キャスター時代に大谷を取材したこともあるだけに 栗山監督の胸中は複雑のようだった

ただドラフト後は 「花巻まで何度でも足を運ぶ」と決意を明かした

▼指名を受けての大谷
「評価をしていただいたことはすごくうれしいし ありがたい。正直びっくりしたというか 動揺した部分はあったけど 自分の気持ちは変わらない。入団の可能性はゼロです」

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指名を受けても大谷の固い意志は変わらなかった

大谷は栗山監督について 「2年生の時からお世話になっている。情熱的な人」と 好印象を抱いている

日ハムに対しても 「9月の面談時にいいイメージを持った」と語ったが 入団となると話は別

「メジャーに挑戦したい。両親と相談はするけれど 自分の意志は変わらない」と きっぱり語った

【2012年10月26日】 日ハムが花巻東高校を訪問

▼訪問した日ハムの山田正雄GM
「できれば会いたかった。選手育成の実績を話そうと思っているが そこまでいけるか分からない。時間をかけて諦めずに最後の最後まで頑張ります」

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ドラフト翌日

山田GMが指名の挨拶で花巻東高を訪問するも 大谷は同席せず

会談は わずか18分間だった

対応した佐々木洋監督からは 今後は大谷本人と両親との直接交渉を行うように要請された

花巻東高は関与しないことになった

【2012年11月2日】 2度目の指名挨拶を大谷の自宅で 大谷が同席

▼訪問した日ハムの山田正雄GM
「両親と面会ということで来たのですが 思いがけず本人が出てきて 3人で会うことができました。きょう会ってくれたことには喜んでいます。両親からは また機会をつくりますと言ってもらえた」

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この日は大谷の自宅を訪問し 約50分間会談

予定外の大谷本人の同席に山田GMは 「大谷君へ 夢は正夢。誰も歩いたことのない大谷の道を一緒につくろう」と栗山監督が書いたサインボールを手渡したとのこと

同時に両親には球団の育成システムについて書かれたカラーの見開きパンフレットを手渡し 育成の実績をアピール

その甲斐あってか 次回の面会の約束を取り付ける

山田GMによると メジャーリーグに挑戦したい理由について大谷は 「高校生からは初めてなのでパイオニアとしてやっていきたい。メジャーで長くやりたい」と説明があったという

※【交渉ポイント】
◎栗山監督と面識がある大谷にサインボールを渡すことで緊張をほぐす
◎元々国内を希望する両親に育成面をアピール

※【この時点での大谷の気持ち】
「メジャーで長くやりたい」と強い意思表示

【2012年11月10日】 初の入団交渉 両親のみで大谷は同席せず

▼交渉した日ハムの山田正雄GM
「若いときからメジャーに挑戦する 海外で挑戦することは統計的にもなかなか大変だという説明をしました。ご両親も納得してくれたと思います」

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大谷は同席せず 両親と日ハム側が花巻市内のホテルで約90分間の交渉

ここで日ハム側は 大渕隆SD(スカウトディレクター)が2日の指名挨拶後から丸1週間かけて作った 全30ページのお手製の資料を提示

条件面など具体的な入団交渉についての話は一切せず 高校生からのメジャー挑戦のリスクが高いことをプロジェクターまで使用して説明した

▼交渉後 父親の徹さん
「球団さんから資料を作っていただき 日本スポーツ界の若い人が海外に進出するというお話を その資料をもとに伺いました。資料作りには時間もかかったでしょうし 大変だったと思います。私としてはありがたいなという思いです」
「資料を持ち帰って できるだけ詳しく正確に伝えたい。最終的には本人の人生。後悔のないように 本人の意志で決めたい」

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資料の表題は 「大谷翔平君 夢への道しるべ~日本スポーツにおける若年期海外進出の考察」

外国の高校生によるメジャー挑戦の成功例が少ないことや 他のスポーツも例に出し リスクが高いことを列挙

同時に あくまで大谷のメジャー挑戦の夢は大事にし そこに至る最善の道が国内で経験を積むことであることを強調

こういった日ハム側の姿勢が 「言葉や文化の違いでメンタル的に心配。私たちは国内でプレーしてほしかった」と語っていた父親の徹さんの心にも響く

分厚い資料作成にも誠意を感じたようで 好印象となったようだ

※【交渉ポイント】
◎球団本位にならず 大谷の「メジャー挑戦の夢」を基本に話を進める
◎リスク考察の資料作成で 大谷を大切に思う気持ちを表す
◎元々国内を希望する両親に あらためて厳しい現実を伝える

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